人類の月面着陸の証拠  

(作成:2016年4月6日)
(追加:2016年4月10日)


 人類が最初に月面を歩いたのは1969年7月20日のことである。米国は当時冷戦最中のソ連に宇宙開発での遅れを取り戻すべく人類の月探査計画であるアポロ計画を作り漸く成功したものである。月面着陸はアポロ11号から17号まで、13号を除き、計6回成功し、12人の宇宙飛行士が月面に降り立った。

 アポロ17号の後、既に40年以上経つが誰も月面に到達していない。ひょっとすると月面到達はNASA(米国航空宇宙局)が仕組んだお芝居だったのではないかと疑う人まで出てきた。オカルト的な類の本が出版されたり、YouTubeで解説する人まで出てきている。

 アポロ11号によるアームストロングとオルドリンの月面歩行は世界中に同時中継されたので、当時を知る人なら月面着陸が嘘だったとは夢にも思わないだろう。しかし、その後の宇宙開発の停滞を見れば、若い人が疑うのは仕方がないことかもしれない。

 国際宇宙ステーション(ISS)は高度400kmの円軌道であるし、ハッブルテレスコープを修理に向かったスペースシャトルは高度500kmに達した程度である。地球の表面から1000kmも離れた人類はアポロ計画の後では一人もいない。

 今年1月にビジネス社から出版された「物理学者が解き明かす重大事件の真相」の著者、下條竜夫氏もこの本の「はじめに」で人類の月面着陸を疑っていると書いている。何でも疑ってみるのが物理学者の姿勢であるということは賛成するがアポロ計画を疑うことはこの本全体の信ぴょう性を落とすことになっていると危惧する。

 それでは、現在の状況から見てアポロ計画の人類月面着陸が本当のことだったと言える証拠は何があるのであろうか。これを列挙してみた。

(1)月面に置いた鏡
 アポロ11号で宇宙飛行士は月面にコーナー・キューブ・リフレクタ(CCR)を置いてきている。CCRは3枚の平面鏡を相互に直角になるように置いたもので、光をあてるとその光が来た方向に反射する。

 天文学者は月面に置かれたCCRを目指して地上からレーザー光線をあて、その反射光線が戻ってくるまでの時間を測ることにより地球と月の距離を正確に測定している。この測定はアポロ11号以降、今日も続けられている。

(疑う人の反論)CCRの置き方に精度はいらないから有人が設置する必要はない。無人でもできるはずである。





(2)ハンマーと羽の同時落下実験
 アポロ15号でスコット宇宙飛行士は月面で有名なガリレオの落下実験を再現した。右手のハンマーと左手の羽を同時に手を放して二つが同時に月面に達する実験である。この時の様子はYouTubeでアップされている。月面には空気がなく、重力が地上の1/6なので同時にゆっくり落ちていることが分かる。
https://www.youtube.com/watch?v=4mTsrRZEMwA

(反論) この動画と同じような映像は地上でも撮影できなくはない。大きな真空チャンバの中にもっともらしい背景をつくり、宇宙服を着て同じようにハンマーと羽を落とし高速度撮影をすれば良いだろう。

(3)「かぐや」の写真で証明
 日本は2007年に月周回探査衛星「かぐや」を打ち上げた。「かぐや」は月を周回しながら何枚もの月面画像を送ってきた。これらの画像データをソフトウエアで処理して、アポロ15で宇宙飛行士が月面で撮影して持ち帰った写真(右)と同じ位置から撮った写真に変換したもの(左)と比べてみている。山の起伏がまったく同じであり、(右)の写真は確かに月面で撮られたものであることを証明した。このような写真の比較は他の地点でも行いすべて一致している。



(反論) 「かぐや」が撮って処理した画像(左)に月面車が写っていない。「かぐや」のカメラの解像度なら写るはず。
・・・→ 逆にもし、データ処理した画像で近くの物体は平均化されてしまうから、写っていたら(左)の写真がインチキであることの証明になってしまうであろう。

(4) 持ち帰った岩石
 月面から持ち帰った岩石の成分構成はこれまで調べた地上の岩石の成分とは異なるものであった。月面から持ち帰った岩石標本は様々な国の研究機関に提供されている。
しかし、この件はかなり強く疑われている。大槻義彦が渡された月の石とされた試料を調べたら地球の玄武岩と違いはなかったそうだ。
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/ef3bb09fec955ae1c5904adc7a8129f4

(5) 確率的な証明
 月にはNASAの宇宙飛行士が6回の着陸で計12人が降り立っている。この人たちは米国だけでなく世界中で何回も講演している。もし、実際には月面着陸が嘘であったとしたら、このような講演で何のボロも出さずに講演を続けられるものであろうか。月に飛行するときにはヒューストンの管制センターで大勢の職員が24時間交代でモニタ画面を見ている。これらの人も含めて嘘がつきとおせるとしたら、それこそ奇跡であろう。

(6) 月面上で撮られた写真
 アポロ計画で宇宙飛行士が月面上で撮影した写真は、6回すべて、月惑星協会によりデジタル化されアポロ・サーフェス・パノラマとしてインターネット上に公開されている。
http://www.lpi.usra.edu/resources/apollo/

(了)



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