大きな数字に慣れる

(平成21年6月6日)

 普通の数でも1億と10億の違いがピンと来ない人のほうが多いでしょう。一兆とか10兆になればなおさらです。お金の単位を付けても殆ど同じです。普通の人は普段の買い物で1億円、2億円の買い物をしないからです。しかし、財務省の予算官であれば、常に億円単位で仕事をしているから、10億円と100億円の違いは肌で感じていることでしょう。

 あなたは地球の大きさを実感できるでしょうか。国際線の航空機を操縦しているパイロットなら実感があるに違いありません。大西洋を初めて飛び越えたチャールス・リンドバーグは日頃の郵便飛行の経験と地図で見る大西洋の大きさから燃料を機体に満載すれば飛び越えられると確信したのです。

 私の小さな経験では、東名高速道路が開通して間もない頃、車のカローラを初めて名古屋から東京まで約350Kmを一人で一気に運転したとき、日本地図を思い浮かべて何となく日本の大きさが実感できたような気がしました。

 もう少し後、ジミー・カーターが大統領になった頃、米国大陸の東海岸から西海岸まで約4000Kmを車で横断したときは米国大陸の大きさが実感できました。同時に、地球の一周が4万Kmであることから地球の大きさまで判った気分になれました。

 最も地球の大きさに実感を持っているのは宇宙飛行士でしょう。国際宇宙ステーションの乗組員は90分で地球を一周しているのですから。

 月までの距離38万Kmもアポロの宇宙飛行士達なら実感を持っているに違いありません。天文学者達なら、光で1秒強しかかからない近い距離として把握しているでしょう。太陽と地球までの距離1億5千万Kmは光で8分強かかる距離です。この距離が1AU(天文単位)です。

 光の速さで1年かかる距離は1光年という単位を使います。宇宙は有限で137億光年が最も長い距離です。

 時間についても最も長い経過時間が宇宙開闢以後現在までに経過した137億年です。天文学者が色々な証拠をつき合せると137億年になるということです。

 電波時計の広告には「10万年に1秒の狂い」と精度を誇示しています。人は1秒の実感は持っているでしょうが、10万年の実感をもてる人は歴史学者を除けば少ないでしょう。

 これまでのクオーツ時計では一月に15秒の狂い、または1日に0.5秒の狂いとあって、両方の数字が日常の生活に密接に近いものでした。電波時計の精度を一月当たりの表示にすると、狂いの時間が0.000001秒のような数字になって一般人には判りにくいと考えたのでしょう。

 時間のマイクロ(=10^-6)秒、ナノ(=10^-9)秒、ピコ(=10^-12)秒と短い時間に必要な読み方は用意されています。

 これでも判りにくければ、光が1m進む時間を1光m、光が1cm進む時間を1光cmということにしたら良いのではないだでしょうか。これは原宣一の提案ですが、光が1年かかって進む距離を1光年と表す距離の単位に対応する時間の単位です。 

戻る