ラプラスの確率

(平成21年6月6日)

 数学者ラプラスは確率を次のように定義しました。ラプラスが確率を考えたきっかけは賭博師から質問を受けたことに由来しているので、定義も何となくサイコロ振りを思い浮かべて出来たように見えます。

 取りうる状態がm通りあって、等しく起こり易い。そのうち好ましい状態がn通りあるとき、好ましい状態が起こる確率はn/mである

 この確率定義は、19世紀の終わりから20世紀の前半まで半世紀以上も、頻度概念派により古典確率に追いやられてしまった経緯があります。

 現在、高校数学で習う確率がこのラプラスの確率であり、理論物理学でもラプラスの確率が使われています。そして、情報工学を創立したシャノンは確率定義の論争を避けていますが、結果的にラプラスの確率です。

 しかし、ラプラスの確率も確かさの度合いとしての確率でもあることはあまり認識されていないように思われます。取り得る状態をどのように見るかが人によって異なる場合があること、即ち、どのように取り得る状態を数えるかが科学の先端であったりします。

 サイコロは6面体でそれぞれの面に1個から6個までの丸い点が刻んであります。サイコロを振ると出る目の状態が6通りあることになります。偶数を好ましい状態とすれば、偶数は2、4、6の3通りありますから偶数が出る確率は3/6=0.5ということになります。

 それでは、同じコイン2枚を同時に投げ上げて2枚とも表がでる確率はどうでしょうか。ラプラスの先生にあたるダランベールは、表と表、表と裏、裏と裏の3種類の出方があるので、2枚とも表がでる確率は1/3であるとしました。

 ラプラスは、取り得る状態として、表と表、表と裏、裏と表、裏と裏の4種類あるので、2枚とも表が出る確率は1/4であると正しました。

 状態の数え方が違うわけですが、どちらが正しいと見るべきかは実際に試行してみるのが良いでしょう。現在はコンピュータでシミュレーションをすれば良いと考える人が多いでしょうが、コンピュータ・シミュレーションはプログラムの作り方で決まってしまうものです。

 実際に試行してみると、ラプラスに軍配が上がることが観察できる筈です。「筈です」というのはすっきりしませんが、書いた責任上、本当かどうか2枚の10円銅貨で実際に試してみたのですが確認できませんでした。

 4回目で表表がでたがその後なかなか表表がでなくて、やっと32回目で2回目の表表がでたのです。しかし、もう後を続ける気にならなかったのです。このぐらいの回数ではなかなか理論どうりにはいきません。

 実際の結果がどのようなものであれ、「2枚のコインを同時に投げて表表が出る」という命題の確かさは1/4であるとするのが合理的な人でなのです。この確率は強い確信の度合いで1/4です。

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