2枚のコイン投げ

(平成21年6月6日)

 同じコイン2枚を同時に投げ上げて2枚とも表がでる確率はいくつでしょうか。
 ラプラスの先生にあたるダランベールは、表と表、表と裏、裏と裏の3種類の出方があるので、2枚とも表がでる確率は1/3であるとしました。

 ラプラスは、取り得る状態として、表と表、表と裏、裏と表、裏と裏の4種類あるので、2枚とも表が出る確率は1/4であると正しました。

 ラプラスの答えが合理的であることは確率の積の規則から導くことができます。

 コインAの表(Head)の出る確率をP(H|A)と書けば、P(H|A)=1/2、コインBの表の出る確率P(H|B)=1/2です。

 コインAもBも表が出る確率をP(HH|A,B)と書けば、コインAとコインBの表の出方は独立ですから、
   P(HH|A,B)=P(H|A)・P(H|B)=(1/2)×(1/2)=1/4

 実際に何回もコインを投げて統計を取って試してみると、(不思議なことに!)、相対頻度は1/4に近くなることが多いとされています。

 1枚のコインの表が出る確率をラプラス流に合理的に決めると、合理的に確率の積の規則を適用した結果も実世界の現象になぜかよく合うということなのです。(本当かな!)

 私は小銭入れから10円硬貨を2枚取り出して、2枚同時に投げるということを50回ほどやってみましたが、表表がでたのは1/4に近いといえるようなものではありませんでした。

 2枚のコインを同時に1回しか投げないときに、「表表が出る」確かさの程度が(数字で表して)1/4だというものです。これを確率というのです。ですから、確率は確かさの程度を0から1までの数字で表したものなのです。

 一方、もし2枚のコインを同時に投げるということを数限りなく繰り返したら、表表がでる割合はある数字に近づくに違いない、その極限値を確率と定義することにしましょう、というのが頻度概念の確率定義と言われるものです。

 頻度概念の確率定義では、正確な確率値は永久に判らないのですが、数多くのデータがあれば、2枚のコイン投げでは1000回も投げれば、その相対頻度はきっと正確な確率値に近いであろうと考えるのです。

 このやり方が正しい扱いだとして長らく多くの工学分野で採用されてきました。情報工学は頻度概念の確率ではありません。特に、大量生産の品質管理にも採用されたことが工学分野で疑いも無く教えられてきた理由でしょう。しかし、時に不合理であり矛盾を孕むものなので、E.T.ジェインズは直ちに止めるべきだと言っています。

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