高速回転ローターを遊園地に  

(2013年12月18日)


  昭和時代の後楽園遊園地にはローターと名付けられた施設があった。丸い室内が回転することにより体が壁に押し付けられ、床が沈んでも体は壁に押し付けられたままになるという施設である。

 「亀吉」さんのHPには次の挿絵があって、次のように説明書きが添えられている: 円筒が回転すると遠心力で壁に押し付けられて床が足から離れるローター

 日本では後楽園だけでなく、奈良や神戸にもあったようだが、今ではどこにもない。吐き気を催す人がいたりしたせいであろうか、それほど危険な施設ではなさそうだが、安全確保の観点から廃止されたらしい。

 入場したことのある人の話では「浮いた」感じになったそうである。映画「ゼロ・グラビティ」が封切られた宇宙時代の現在にこの施設が存続していたら人気が出たのではないかと思われる。

 ウイキペディアによると1分間に33回転まで増速し、3G位の加速度が掛かるとある。

 軽飛行機の巡航状態で、常時1Gの重力加速度に抗する浮力を受けている。このときパイロットが経験する加速度による負荷は地上で椅子に座っているのと変わらない。この状態から機体を60度傾けて水平旋回をすると丁度2Gの加速度による負荷を受ける。パイロットは高度が落ちないようにエンジンを吹かして調整する作業など頭を使うが、2Gの加速度により巡航状態との違いを明確に感じる。

 2Gでもかなりの違いを感じるのでローターで経験する3Gでは気持ちが悪くなる人も出てくるであろう。ベッドの上で寝ている状態が1Gであるが、この状態なら病人でない限り楽に腕を上げられる。3Gで壁に押し付けられている人は腕を壁から離すのも容易ではないだろう。

 遠心力加速度は壁に垂直だが、重力加速度は常に下向きであるから、実際にはこの合成で壁に垂直ではなく少し斜め下向き方向の加速度になる。2Gではずり落ちる可能性もあるから3G程度まで回転を速めるのであろう。

 十分強く壁に押し付けられた状態で床が下に下がると、足の裏と床の感触がなくなることにより「浮いた」ように感じるらしい。実際に浮いている訳ではないからこれは人間の錯覚であろう。

 さて、ここでローターの回転を2倍に速めて、約1秒で1回転にするとどうなるであろうか。遠心力加速度は回転数の二乗で増えるので10Gを超えてしまう。入場者は吐き気を催すどころではなく生命の危機に遭遇する。絶対に過回転防止装置付きでないと安全上、この設備は許可できないだろう。

 それでも1秒に1回転の経験をしてみたいと思う人達もいるかもしれない。実は、このようなローターで安全な設備を作る方法がある。それを次に紹介しょう。世界中のどこを探してもまだ作られていないのでネットで探して絵をお見せすることはできない。頭の中で想像して欲しい。

 それは、回転する壁のところを水槽にして水を満たすのである。水が飛び出さないように蓋も必要である。この中に入っていれば1秒に1回の回転で10G以上の加速度を受けようとも中の人間は何ともない。ただ、呼吸のためにアクアラングを持ち込むことは必要である。

 日本にはアクリルガラスで水族館の大きな窓を作る世界一の企業がある。この企業なら透明な円形のドーナツ状の水槽を作ってくれるだろう。この透明円形水槽を持ったローターを作ってみてはどうだろうか。最初から浮遊状態にあるのだから床を上下させる必要はない。

 回転を速くしても水槽の中の人が平気な様子を見られるに違いない。中の人は10Gの加速度に1分でも2分でも平気で耐えられる。装置の強度が許すなら20Gでも30Gでも中の人間は耐えられる。少し潜水した状態と変わらないからである。


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