ジェットコースターの年齢制限を撤廃する方法  

(2013年9月10日作成
9月21日修正)


 別ブログ「中性浮力と無重力」の後半部分は判りにくかったようだ。(私の勘違いもあって修正した。)同じ原理なのだがテーマを変えてみた。



 遊園地の絶叫マシーンとも呼ばれるジェットコースターは一般人が容易に大きな加速度を経験できる施設である。最大加速度は3G程度のものから6Gを越えるものまで作られている。上図はシュワルツコフ社のシャトル・ループと呼ばれるコースターである。駆動はカタパルト式で水平部分で出発時に加速される。ある遊園地のものは出発の1.8秒後に時速180Kmに達するということである。従って、最大の加速度は出発時に掛かるものと考えられる。カタパルトの作動中は座席の背中に押される方向で4G程度、垂直ループを登る瞬間は座席の下向きに3G程度かかりそうである。

 人間は3G、4G程度の加速度なら数分続いてもどうにか耐えられる。遊園地のジェットコースターでは高いGが掛かるのはわずか数秒である。それでも、顔は引きつり、両手のこぶしを握り締めることであろう。富士急ハイランドのFUJIYAMAは54歳までの年齢制限まである。高年齢者の心臓に負担がかかることを危惧しているのだろう。しかし、差別であることに変わりない。このような制限は撤廃してしまおう。

 実は、もっと高いGのかかるジェットコースターであっても平気でいられる方法がある。つまり潜水者が深い海でも何の苦も無く泳げるように中性浮力を利用するのである。人間の体を構成する物質の比重は殆ど水の比重と同じ1である。重量と浮力を完全に平衡させた状態を中性浮力というのだが、中性浮力の実現に拘る必要はない。正確に調整するまでもなく人間の体は始めから大体のところ水とバランスする。ほぼ中性浮力の状態にあるので、水中にいれば加速度を体の負荷として受けることは殆どないのだ。空気で満たされた肺の部分はアクアラングのレギュレータが自動的に調節する。

 ジェットコースターを少し改造して、乗客席に人間がどっぷり浸かれる丈夫な水タンクを取り付ける。乗客はこの水タンクの中に呼吸用のアクアラングをつけて入り、水を満たしてから水がこぼれぬよう蓋も閉める。Gのかかる方向は判っているので、水タンクに水が漏れないように空気抜きの穴を開けておく。

 このような水タンクごとジェットコースターに乗れば、3Gの加速度がかかった時でも水圧は少し増えるだけである。水深1,2mの深さで潜水しているのと変わらない。5Gでジェットコースタが加速されても、水深数mでの潜水に相当するだけである。アクアラングをつけて水タンクに入っている人は加速度の違いを少しも感じることはない。この程度なら、耳抜きの出来ない人でも頭が痛くて耐えられないことにはならぬだろう。

 ジェットコースターでなくロケットであっても同じである。10G以上の加速度を出すロケットは有人用ロケットとして使うのは難しいが、宇宙飛行士を潜らせた水タンクごと打ち上げるのであれば有人仕様のロケットになり得る。 

(注) ジェットコースターの水タンクにしても有人仕様のロケットに搭載する水タンクにしてもそのタンクの上面から下面に向けて圧力差が生じる。圧力差のある水中であっても、中性浮力の状態であることは変わらないので、水の中に浸かっていればGを感じることはないという意味である。

(了)


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