重力は力でなく加速度  

(作成:2011年1月29日)
(修文:2011年6月10日) 


 重力は、ニュートンが万有引力を定式化して示して以来、約200年間、自然の保有する性質として、全ての物体に作用する力であると考えられてきた。重力という用語は、力という漢字が入っていて、まさに適切な用語であった。

  ところが、重力という自然の性質は、Gravitational Force でなく、Gravitaional Accelleration であるというのが表題の意味である。

 重力が加速度であることに最初に気がついたのはアインシュタインで、一般相対性理論の完成後である。しかし、一般相対性理論による帰結は他に驚くべきことが多かったせいか、このことは殆ど顧みられていなかった。昨年秋に鬼籍に入られた、東大理学部の小野健一名誉教授の数冊の著書において一貫して、その旨の記載があるぐらいである。

 アインシュタイン以後の人達も、ニュートンと同様、物体が加速度運動をするのなら力が作用しているものと、何も気にすることなく過ごしてきたものと思われる。

 重力が加速度であることだけは、一般相対性理論によらなくても、ニュートンの運動の法則を見直すだけで納得できることである。

 ニュートンは万有引力の式を導いたときに重力加速度の式に留めるべきであったものを力の式にしてしまった。加速度に質量を乗じたものは力であるから、万有引力の式自体が間違っているわけではないが、この場合の万有引力の力は「見かけの力」であって、物体に何らかの変化を及ぼす実際の力ではないのである。

(注)地球の重力は万有引力に地球の自転による遠心力を加えた、実際に観測できる値で定義されている。地球の重力測定は、正式な測定としては、実際に真空パイプの中でボールを落とし、落下速度の計測から加速度を計測して、重力加速度として表示している。つまり、重力が何かの認識の相違は別にして、理科年表でも力でなく加速度の単位[ガル]で表示されている。


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