最も身近な落下現象  

(2011年3月2日)


 手に持ったボールを離せばボールは足元に落ちていく。空中で離せばボールに限らず何もかも落ちていく。物が落ちるということは誰もが経験する最も普通の自然現象である。当たり前すぎる現象は誰も何故落ちるのかと考えることもなかったのである。

 しかし、ガリレオがどのような物質でも落ち方が同じであることを示した。実際に行ったかどうかは怪しまれているが、ピサの斜塔から材質の異なったボールを落として、それらが同時に着地することを示したと伝えられている。

 さらに、ニュートンが木からりんごが落ちるのも、月が地球の周りを回っているのも、同じ万有引力が働いているからだと説明した。地上のものも天体も同じ法則に支配されていることを示したことが、ニュートンの最大の功績であることは疑いようもない。

 ところがニュートンはここに勇み足があった。ガリレオが実証したのは物体によらず重力加速度は同じであるということだった。それを万有引力という力が働いているとしてしまったことである。 地球の質量をM、りんごの質量をm、地球の半径をRとすれば、万有引力Fは次式であるとしたのである。

 

  物体に外から力を加えると、その物体内部には応力を生じ変形を伴う。剛性が無限大に大きい物質は存在しないから、応力が発生すると必ず歪をともなう。一般的には歪を検知することにより力が加わっていることを知ることができる。

 ところが重力場にある物体が加速度を伴って運動を始めても外力がなければ応力の発生はない。つまり、力の存在を示すことは出来ない。ケプラーの法則から導き出せるのは、重力加速度gの式に留めるべきだったのである。

 重力という力が加速度的に運動するときに発生する慣性力と分子レベルで釣り合うから応力が発生しないのだという説明はあり得るように見える。しかし、この説明は間違いである。重力加速度に物体の質量を乗じると力の次元の量になるが、それは見かけの力であって実在の力ではない。

 ニュートン以来、「手に持ったりんごを離すと地上に落下すのは重力が働くからである」され、そして、この重力は力であるという説明に誰も疑わなかった。 普段誰もが目にする自然現象の説明に間違いがあったのである。

 正しくは、「手に持ったりんごを離すと地上に落下するのは重力場における加速度運動を始めるからである」 となる。この重力場は地球が作る重力場である。

(参考)磁石の場合

 磁石はN極とN極、またはS極とS極の同局同士を近づけると反発し、N極とS極の異極同士では引き合う。磁石の場合は斥力も引力も確かに力が働いている。表面同士で力が作用するので引かれているときも、反発して動いているときも、動きに対して慣性力が働くので磁石の内部には圧縮応力または引張り応力が発生している。

 磁力に対して重力の場合は物体同士が引き合う動きだけである。物体が自由に重力で引き合っているときに物体の内部には応力が発生していない。慣性力も発生しないのである。


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