重力と電気力との比について 

(2011年4月27日)


 A氏から次のような疑問を寄せられた。
 「重力は電気力に比べると非常に小さくて、何故このように小さいのかが理論物理学者の謎になっていたわけだが、もし重力が力でないとするならば、当初からこのような比較は無意味であって、謎でもなかったことになるのではないか。」

 仮に陽子と電子の中間ぐらいの質量Mの二つの粒子を考える。するとこのMの大きさは4×10^(−26)となる。この二つの粒子が距離 r だけ離れていると、二つの粒子間に働く静電気の力は、それぞれの粒子の電荷がeだとすると(電子1個)、クーロンの法則により、e^2/r^2で与えられる。eの値は4.77×10^(−10)静電単位。

 一方重力の力(これまでどうり力であるとして)は、ニュートンの万有引力の法則からGM^2/r^2であって、Gの値は6.67×10^(−8)である。そこで、これら力の比を取ると、GM^2/e^2で数値を入れると、10^(−40)というような値になる。

 つまり、重力と電気力との比は10^(−40)のオーダーの大きさ(注1)になり、何故このように違うのかが理論物理学者の謎になっていた。この解決のためには自然界に存在する4つの力、特に重力と電気力との統一が必要と考えられて超ひも理論が考え出されてきた。

 A氏から寄せられた疑問は、もし、重力が加速度であって力でないとすると、超ひも理論も何もかも根底から崩れる話ではないか(従って、重力は力である、ことは動かないのではないかという反論であろう)。

 重力は力でなく加速度なのだが、その加速度に従った運動を阻害すると慣性力が働くのである。この二つの粒子の距離が r のところで相互の距離を保つように止めたとするとその粒子の慣性力がGM^2/r^2の大きさで生ずるのである。従って、当初の謎はそのまま残る。

 ただし、電気力は力なので外力として作用するので、粒子が電気力で運動しているとき、その外力は慣性力とつりあう。電気力が働いているのに粒子は運動していないなら、その粒子は何か別の外力とつりあっている。重力は加速度運動を止めたときに慣性力が出るので、これら二つの力は発生の差があるように思われる。

(注1) 一般的には10^(−37)だとされている。電子2個で比較すると10^(−43)ぐらいになる。

(了)


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