重力と定義について  

(2011年5月4日)


 重力は力でなく加速度であると言っていたら、数人の方から「定義の問題ではないの?」と返された。

 確かに「力」と言う言葉は広く使われている。何かを動かすことが判れば「力」というようだ。本の標題にも良く使われる。最近は「鈍感力」というのもあった。本を読んでいないので推測であるが、少しの批判にも心を動かされない抵抗の大きさということであろうか。

 文学や一般社会で、「力」と言う言葉が多様に使われているのは事実であるが、物理・工学で使う「力」は明確であり、単位はニュートン[N]である。加速度の単位は[m/s^2]であるから力と加速度は全く異なる概念である。

 「重力」は漢字の「力」が使われているので混乱を生ずる要素であるかもしれない。「重力」と言う言葉の意味は英語でGravitationの訳である。

 「重力は力でなく加速度である」との命題はGravitationという自然現象はGravitational Force (Gravitationという力)でなく、Gravitaional Accelerartion (Gravitation という加速度)であるとの主張である。

 さて、命題とは真偽を目的とする記述である。上記の命題はその内容が真であると主張しているのであって、定義の問題ではない。

 とは言っても、実際に社会では漠然と「動かす作用があるもの」を「力」ということが多いので、その意味では定義の問題である。

(了)


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