重力が力でない証拠2  

(2014年5月9日)   


 以前、重力が力でない証拠として加速度計と自由落下を上げた。さらに動かしがたい理由として楕円軌道がある。

 地球を回る宇宙ステーションは無重力状態にある。この宇宙ステーションの軌道高度が400Kmであるとすると重力は地表の89%程度である。何故、重力があるのに無重力状態にあるのかという疑問に、現行のニュートン力学では遠心力(慣性力)と釣り合っているからであるとする(ニュートン誌への指摘)。

実際、次のような説明がなされている。
重力=mGMr2
遠心力=mV2r

ここで、
G:万有引力定数
M:地球の質量
m:宇宙ステーションの質量
r:地球の重心から宇宙ステーションまでの距離
V: 宇宙ステーションの速度

 重力はここでは万有引力そのものであり、ニュートンがケプラーの3法則から幾何学的に導いたものである。遠心力は幾何学的に求められる遠心力加速度に質量を乗じたものである。

 宇宙ステーションの軌道が円軌道の場合は、重力と遠心力が等しいという条件から、
mGMr2=mV2r


V2=GMr 

 この式から軌道高度と円軌道速度の関係式である。周期Tも円周2πrVで割ることから容易に求められる。JAXAHPにもある。
http://iss.jaxa.jp/shuttle/flight/sts99/earthkam_01_2.html

 重力と遠心力が等しいという式は、同じ質量mが掛かっているのでこれを落とした式は、重力加速度と遠心力加速度が等しいという式に他ならない。つまり、円軌道を取る場合にのみ、重力加速度と遠心力加速度が等しいのである。

 宇宙ステーションが円軌道の場合は、無重力状態にある理由として遠心力と重力が釣り合っているからという説明でも数式上はあっている。

 宇宙ステーションが楕円軌道の場合はどうであろうか。近地点付近は速度が速いので遠心力が重力より大きく、逆に遠地点付近では速度が小さくなり遠心力が重力より小さくなる。つまり重力と遠心力(慣性力)は軌道の2か所を除き、釣り合っていない。

 楕円軌道を回る宇宙ステーションでは、2か所を除き、どの場所でも重力加速度と遠心力加速度は等しくない。それでも宇宙ステーション内は常に無重力状態にある。このことが重力は力でないことを示している。地球を回る宇宙ステーションが無重力状態にあるのは、軌道が円であれ楕円であれ、常に地球に落ちている(自由落下)からである。

 自由落下している物体には重力(gravity)が消えていることに最初に気が付いたのはアインシュタインであり、それは1907年のことであった。gravityは力でなく加速度でしかないのである。万有引力の式は力の式で提示されているが、これはニュートンの仮説であって、アインシュタインによって否定されたと見るべき式である。

 ☆ ☆ ☆

(補足)
 極端な楕円軌道を考えると、それは宇宙ステーションが地球から真っ直ぐ遠ざかるか、地球に向かって真っすぐ落下している軌道ということになる。自由落下中でも重力は働いている。この重力に釣り合う力は遠心力ではないことは明らかだ。ニュートン力学では自由落下中も重力に等しい慣性力が働くから無重力状態になっていると説明する。しかし、力と力が釣り合っているのに加速度的に運動している状態は、ニュートンの運動の第2法則に反する。どうしても重力は外力の一つとみなければならない。しかも、通常の外力と違って分子レベルだ作用するから物体内部に何の変化(ひずみ)ももたらさないと考えざるを得ない。しかし、この状態は重力も働かない遠い宇宙空間におかれた物体と区別がつかない。自由落下の状態は遠い宇宙空間に置かれた物体と区別がつかない、つまり、重力が消えているということなのである。アインシュタインはこのことに気が付いたのであろう。

(了)


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