駄玩具

D-001 ウルトラ・ライダー
体高:14センチ
メーカー不明
これぞ昭和の秀作。
2大ヒーロー共演の駄菓子屋玩具。

駄菓子屋での販売以外におそらくルートは見いだせなかったに違いない……そんな商品である。
仮面ライダーと帰ってきたウルトラマンはともに昭和46年の放映開始で、当時の子どもたちの人気を二分した2大ヒーロー。それが、ナント同封されているのだ。ある意味、夢のような商品と言っていい。
しかし、ひと目でそれと分かるパチモンだ。仮面ライダー、ウルトラマンの名を記すことは製造者の良心が許さなかった。そこで考えたのが「ウルトラ・ライダー」。善良な市民であるがゆえに浮かんだ秀逸なコピーである。おまけなのか恐竜のプラスチック人形が添えられている。これが「大決戦」の相手なのか?
  タグに描かれたバラゴンもどきの絵も、関係性がまったく見いだせなくて、いい。



D-002 帰って来た怪獣
体高:9センチ
メーカー不明
モデルはあるのか、ないのか……
5体セットのプチ怪獣。

この製品を見た7人中6人が、「アハハ、帰って来たって…どこから!?」と、返答のあてのない独りツッコミを入れてきた。話をすべてツッコミで締めようとする最近の傾向、何とかならないか……。サイズはどれも9センチ前後。頭部と身体の2つの金型で成形されている点や、お腹の脇にピタリと両手をつけたフォルムが、当時、駄菓子屋で50円くらいで売られていたプチサイズの怪獣と共通している。おそらく、『帰ってきたウルトラマン』(昭和46年4月〜TBS)の放映に合わせてセットして販売したのだろう。右から2番目のベージュ色が『ウルトラマン』の第18話に登場したザラブ星人をモデルとしていること以外、その出生は不明。強いて言うなら右端は『ウルトラQ』のパゴスかな? あとは見かけたような、そうでないような……モデルは見いだせない。
特筆したいのは、大ぶりの袋タグに描かれた写実的な怪獣絵だ。テレビの普及で職を奪われた紙芝居絵師による作か。CG隆盛の今日、こんなに色気のある絵に出会えなくなったのが、悲しい。


D-003 怪獣消しゴム
体高:5センチ
メーカー不明
4体の円谷怪獣もどきを確認。
1コ50円売りのおもちゃ消しゴム。

ウルトラ怪獣シリーズや仮面ライダーシリーズが懐かしい怪獣消しゴムである。そのライセンスものはポピーや丸越といった玩具メーカーが手がけ、駄菓子屋や文具店、あるいはガチャガチャで売られていた。おそらく、新しい販路を開拓しようと考えたメーカーが、文具店に白羽の矢を立て、消しゴムとして売り出したのだろう。怪獣でも消しゴムなら、お母さんに見つかっても怒られないし、学校にも持っていける。けれどこの怪獣消しゴム、素材はソフトビニールで、実は消せない消しゴムだったりした。
写真は、ウルトラ怪獣もどきと恐竜が混在した、やはり消せない消しゴムである。商品名は「怪獣VS恐竜おもちゃ消ゴム」。なぜand(&)ではなくversus(VS)なのか、また、「おもちゃ」なのか「消しゴム」なのか、疑問はつきない。
4種類の恐竜のほか、ペギラもどき、キングギドラもどき、ゴメスもどき、イカルス星人もどきを封入。順にバルタンバード、ツインギドラ、キングガイ、ジヤウゴセイジンという名前がつけられている。


D-004 スペースマン
体高:11センチ
メーカー不明
ウルトラマンをパチった、
シルバー&ゴールドの金ぴかコインケース。

 その名はスペースマン。大気圏外の警備にあたる宇宙警察のエース。またの名を宇宙仮面という……。
 台紙に記された「スペースマン」に触発されて、ナレーションを考えてみた。もちろん、スペースマンはオリジナルネームである。
 とはいえ、その造形がウルトラマンをモデルにしていることは明らか。「Coin Purse」とある通り、背中がコインケースになっている。最近見かけなくなったが、内部にバネが施された円形のアレ……コインを押し込むとバネの反動で押圧されてその場に留まるというアレ……大ぶりの100円とか10円とかだったらいいけれど、小ぶりの1円なんか入れるとビヨ〜ンとかいって飛び出しちゃうあのコインケースである。頭部にはチェーンが付いていてネックレスにもなる。
 大人には取るに足りない駄玩具だが、当時の子どもの消費意欲をあおった、チープな時代の素敵な商品である。


D-005 キャプテンカー
体高:17センチ
メーカー不明
スーパーマリオじゃないよ、
マリオネーションだよ。

 特撮を背景に、より人間的な操り人形が活躍するスーパーマリオネーション。その創始者アンダーソン夫妻の作品としては、『サンダーバード』がつとに有名だ。
 写真は、そのアンダーソン夫妻の最高傑作ともいわれる『キャプテンスカーレット』(昭和43年1月〜TBS系列)に登場したスペクトラム・パトロールカーと思しきクルマで、袋タグにはキャプテンカーと記されている。また、<貯金箱>の表記もある。素材はペコペコのポリエチレンだから中は空洞。なるほど貯金箱としても使えると思うが、コインの入口も出口も見当たらない。穴は自分であけろということか。
 キャプテンスカーレットは不死身だった。命を奪われても何度でも蘇生する。この番組で“不死身”という言葉を覚えた子どもは少なくないはずだ。ちなみに、番組中のナレーションを担当したのは、「みなさまの夜間飛行のお供をするパイロット」、故・城達也だった。


D-006 大怪獣カード
天地:8センチ
キューピーとは似ても似つかぬ
下手うま怪獣が勢ぞろい!

 ピンクの箱に記された食品会社が、自社製品のおまけにそえたのだろう。ケースの脇には「迫力! 怪獣が52匹! 解説つき! 大怪獣カード」とある。トランプである。
 ガメラによく似た「メロン原人メロメロン」は身長23メートル・体重3万トン・出身地はメロン彗星、バルタン星人似の「公害怪獣オキシドロン」は身長35メートル・体重1万トン・出身地は東京近郊……なのだそうだ。
 子だくさん時代の末っ子は、買い物かごやお財布とともに、近所の商店街に買い物に行く母さんの必須アイテムだった。ライバルの味の素マヨネーズと並んで陳列されたキューピーマヨネーズに、こんな素敵なおまけがついていたら、末っ子はねだるわナ。少子化のいまとなっては遠い昔の、小市民にあったかいマーケティング戦略である。


D-007 へんしんミニカード
左右:18センチ
昭和40年代後期の品か?
ライダーカードブームの便乗品。

 アイドルのニコパチ写真を一般にブロマイドというが、bromideは本来、「臭化物」を意味する化学用語である。アイドル写真の意味で使う場合は「ブロマイド・ペーパー」が正解。ちなみにブロマイドの老舗メーカー・マルベルのそれは、濁音の「ブ」ではなく、半濁音の「プ」で、プロマイドという。
 1枚5円の怪獣や特撮ヒーローのブロマイドが懐かしい。アマダ、ブルマァク、山勝、丸昌などのメーカーが手がけたライセンスブロマイドに混じって、当たり前のように売られていたパチモンブロマイドを覚えていないだろうか。たしか、ヤマプロとかヨコプロといったメーカーだったように記憶している。
 写真はブロマイドよりもふたまわりほど小さいカードが6枚ずつ綴じ込まれたアルバム。表紙は上左からライオン丸、ミラーマン、ゴルドン(ウルトラマン29話)、ミクラス(ウルトラセブン)、下左からグドン(帰りマン5話)、ゴモラ(ウルトラマン26・27話)、ライオン丸、仮面ライダーのもどき絵である。


※参考文献:竹書房『超人画報』・同『ウルトラマン画報(上下巻)』

●新ネタ順次追加予定……
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