ミラーマンもどき

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体高:28センチ
メーカー不明/世紀の大怪獣 新怪獣シリーズ
漫画チックな台紙絵と、
もの憂げな表情が好対照。

昭和46年12月からフジテレビ系で放映。『ウルトラマン』と同じ円谷プロが制作した。
主人公の鏡京太郎は2次元(鏡の世界)人の父と3次元人(人間)の母の間に生まれたハーフで、一説によると、当時いじめられがちだった混血児に勇気を与えようと創造されたヒーローだという。「ミラースパーク!」のかけ声とともに、光を反射する鏡などに飛び込んで変身する。
このミラーマン、どういうわけかパチモンが多い。写真はだれに見せてもブルマァク製だと思われてしまうミラーマンだが、その刻印はない。
封入されていた袋のタグには「世紀の大怪獣―新怪獣シリーズ」のコピーとともにマンガチックな怪獣をデザイン。写真では見えないが、袋内の台紙絵もパチっぽくて、いい感じだ。



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体高:16センチ
メーカー不明/PLASTIC TOY
広げた両手は、いったい、
何を語っているのか……。

テレビの『ミラーマン』で特に印象に残っているのは、主人公・鏡京太郎の弱々しさである。もともと屈強なタイプではない。2次元人と3次元人の間に生まれたことでミラーマンになってしまっただけなのだ。そんな京太郎の不遇が描かれ、子ども向けヒーロー特撮にしてはどんよりとしたトーンが漂っていて、見るのが辛かったのを覚えている。
写真は平成18年にネットで手に入れたミラーマンだ。マウンド上のピッチャーに向かって「低めに!」と注意を促すキャッチャーみたいに外に開いた両手は、下げても上げても様にならないけれど、そこがまた愛らしい。 封入されていた袋タグには「PLASTIC TOY」と記され、ビニール袋も新しい。2006年に公開された映画『ミラーマンREFLEX』にあわせて作られたパチモンかもしれない。



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体高:29センチ
メーカー不明/よい子のオモチャ
心細くなるほど、
青ざめた顔の変身ヒーロー。

これが何の人形であるのか、遠目からの判別は困難だ。近くによって、額とベルトの星マーク、およびアイマスクらしき凹凸を確認して、はじめてミラーマンもどきであることが分かる。
素材は薄くてペコペコしたポリエチレン。グレーとブルーという地味なのか派手なのか分からない色は斬新で、たった2色なのに妙にカラフルに見える。
袋タグには、大胆にも「よい子のオモチャ」と記されている(ふつうのよい子はぜったいに買わない思うけど)。おそらく、露店の玩具商とか駅の売店、あるいは温泉場の土産屋の軒先なんかにぶら下がっていて、酔っ払ったお父さんが我が家のよい子に買って帰ったりしたのだろう。もらった子どもはぜんぜんうれしくないのだけれど、お父さんを傷つけたくないから喜んだフリなんかして……ナルホド、よい子のオモチャだ。



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体高:12センチ
メーカー不明/チビッコ怪獣シリーズ
まるでキューピーちゃん。
肉感的なむっちりボディー。

ミラーマンには、試験的に制作されたパイロット版が存在するらしい。そのキャラクターデザインはまったく異なっていたようで、ブルマァクから発売されたパイロット版ミラーマンのソフビは、西洋の鎧のような、むかしの潜水夫のような仮面をかぶっている。
パイロット版で鏡京太郎を演じたのは柴俊夫(放映版は石田信之)。皮肉にも、柴はミラーマンの裏番組としてTBS系列で放映された『シルバー仮面』の主人公・春日光二役を務めている。
写真のミラーマン風人形はとても小さい。袋タグに記された「チビッコ怪獣シリーズ」の「チビッコ」とは、このミラーマンもどき自身のことかもしれない。
ボディーはとても肉感的で、おしりとか太もものムチムチ感は、まるでキューピーちゃんのようだ。


※参考文献:竹書房『超人画報』・同『ウルトラマン画報(上下巻)』