アイアンキングもどき

2001
体高:14センチ
メーカー不明
タグ絵にクマさん、ウサギさん、ゾウさん。
ということはトラさん? 四角い顔だし……。

昭和47年10月からTBS系列で放映された。「夜明けの停車場」の大ヒットで国民的スターにのし上がった石橋正次と、日活・青春映画で吉永小百合の相手役だった往年の銀幕スター浜田光夫が共演。加えて岡崎由紀や坂口良子らがゲスト出演するなど、子ども向け特撮番組とは思えない豪華なキャストが光った。
アイアンキングに変身するのは浜田演じる霧島五郎ながら、霧島は石橋演じる主人公の静弦太郎をサポートする脇役の設定。一番目立っている静がアイアンキングでないのが、子どもの目に不思議な作品だった。主人公を助ける脇役が番組タイトルとなった例としては、ほかに『隠密剣士』(昭和40年4月〜)がある。両作品ともテレビ局はTBS、制作は宣広社で、放映時間帯も日曜日の19:00から。シナリオの骨子を受け継いだのだろう。
写真のパチソフビは、大まかなフォルムとカラーリングを忠実に再現している。その割に袋タグに描かれたクマさん、ウサギさん、ゾウさんが不自然でないのは、頭でっかちなデフォルメ観のせいか。



2002
体高:16センチ
メーカー不明
見覚えのあるポーズとフォルム。
シルバー仮面(0802)の色違い品。

巨大変身ヒーローは、その活動時間で2つに大別できる。ミラーマンやシルバー仮面は時間無制限、対してウルトラマンは3分間しか戦えない。その違いは何か? と考えて、ひとつの仮説がひらめいた……ミラーマンの鏡京太郎は2次元人と3次元人のハーフというだけで生きているし、シルバー仮面の春日光二も改造されてはいるが、やはり生きている。対してウルトラマンは死亡したハヤタ隊員の身体を借りていたはず。そしてタイムリミット・ワンミニッツのアイアンキングの霧島五郎も、登山中の事故で死亡している。仮の姿である人間の生死が関係しているのではないか……新説に浮き足だったが、その後の検証で、3分間のウルトラセブンのモロボシダンは死んだわけではなくて、セブンがその姿を写し取っただけであることが判明した……余談が長すぎた。アイアンキングである。
写真のソフビは作品ナンバー0802のシルバー仮面とうり二つ、って言うかまったく同じ金型から作られている。違いは彩色のみ。ただ、すべてが手塗りだったシルバー仮面に対して、頭部からボディーにいたる銀色の彩色が吹き付け塗装に進化している。


※参考文献:竹書房『超人画報』・同『ウルトラマン画報(上下巻)』