バロム・1もどき

0301
体高:28センチ
メーカー不明
テレビでも劇画でもない。
そこが、オリジナル?

昭和47年4月からよみうりテレビ系で放映。原作はあの『ゴルゴ13』の「さいとうたかお」である。
頭部からV字型にせり上がったトサカ的な“何か”は、劇画版では髪の毛として描かれていたが、テレビ版は耳のように、また、トリケラトプスの襟のようにも見え、超人というよりもサイボーグ的に姿を変えていた。
そのソフビはポピー、増田屋、バンダイなどから発売されているが、右の作品はいずれでもない。ライセンス表示、メーカー名の刻印は見あたらず、白くて大きい頭部(テレビ版はブルー)、小さく控えめな口(テレビ版は耳元まで裂けた金属的な口)が、パチモンであることを主張している。
バロム・1にとって必需品であるはずのジェットボップ(本来は右腰ベルトに装着)もない。



0302
体高:14センチ
メーカー:不明
サイズはミニだけれど、
贅沢な色遣いで存在をアピール。

やはり超人バロム・1もどき人形。前掲に比べるとかなり小さく、体高は14センチとミニサイズだ。
とはいえ、そのフォルムはなかなかのもの。こちらの方がずっとテレビ版に近い。
両手を拳に固め、ひじの角度を違えたことでファイティングポーズも可能な造形ながら、どこかかわいさが拭えないのはその小ささゆえか?
赤というよりもピンクに近い目やベルト、頭部のラインほか、カラフルな色使いが華をそえている。
ライセンス、メーカーに関する刻印はない。ジェットボップも、やはり、ない。



0303
体高:28センチ
メーカー:不明
テレビ版に忠実な彩色と造形。
ジェットボップもついてるヨ。

 上記2作品と比較して、最もテレビ版に近い造形のバロム・1もどきである。カラーリングもテレビ版に忠実。観たことない人は、このパチ人形から実像を想像してほしい。右腰にはジェットボップらしきものも装着されている。
 ジェットボップとは、2人の少年(たけし&けんたろう)がバロム・1に変身するときに使う必須アイテムである。変身プロセスは次の通りだ。@両者が「たけし〜っ」「けんたろー」と互いの名前を呼び合いながら駆け寄るAそのプロセスで、確かけんたろうだったと思うけれど、ポケットに忍ばせているジェットボップを空高く放りあげるB鉢合わせた両者が真っ直ぐに伸ばした左手をクロスしながら「バロォム」と叫ぶCつづいて右手をかぎ型にクロスして「クロォス」と叫ぶ……記憶ではこうだが、違うかな?
  後にはショットボップを放りあげながら、「ブォップ!」と叫ぶだけで変身できてたような、そんな気もする……。



0304
体高:15センチ(手先まで)
メーカー:不明/怪獣シリーズ
イエーィ!って感じか?
軽いノリが似合うぞ、そのポーズ。

 前回はジェットボップの話題でお茶をにごしたが、さすがにネタも尽きたバロム・1である。
 白のソフビをマスキングして、下半身に若竹色の、上半身に黒の塗料を吹き付けたのちに、前頭部、目と口、ベルトを手塗りしてある。本来黒のはずのブーツは忘れたのか手抜きか、若竹色のままだ。また、目尻の赤、ベルト中央の白いバックルに施された赤はテレビ実写版のあるべき姿に近いが、テキトーに過ぎて、左目は殴られたあと、バックルは食べこぼしのあとみたいだ。右腰にはちゃんとジェットボップの凸が成形してあるが、そんな造形師の真心を理解するカラーリング担当者ではなかったようだ。完全に無視されている。
 握りしめた拳を頭上に掲げたポージングは、戦闘後の勝利のポーズに違いない。「イエーィ!」とか「ヤッターッ!」とか、そんな吹き出しを入れたくなる。アレッ?……バロム・1の勝利の雄叫びは、左腕を斜め30度くらいにまっすぐ伸ばし、右腕は力こぶポーズで「バッローーム!」だったよな、たしか…。


※参考文献:竹書房『超人画報』・同『ウルトラマン画報(上下巻)』