おさかな生態塾

第3回 〜星砂の不思議〜

 
 沖縄のお土産で星の砂というのがありますね。どうしてあんなものができるのか不思議です。沖縄の砂浜というのは一面真っ白でとても明るく、サンゴ礁のイメージに一役買っています。それもそのはず、この白さはサンゴが砕けてできたものだからです(あたりまえ?)。 

 サンゴの固い殻はサンゴ自身が石灰質の殻を分泌してできたものです。星の砂も実は生物が石灰質の殻を分泌することによって作られたものなのです。その生物というのが有孔虫という単細胞生物で、褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる藻と共生しています。 

 サンゴも褐虫藻と共生しており、この褐虫藻が産みだす食べ物を食べています。有孔虫も同様に褐虫藻から食べ物を提供されて石灰質の殻を分泌しますが、この形が星の形にそっくりなのです。 

 褐虫藻は植物プランクトンであり、光合成によって作られた産物をサンゴや有孔虫が食べて成長します。したがってサンゴや有孔虫は動かなくても生きてゆけるのです。 

 さて、星の砂のもとである有孔虫は褐虫藻からの豊富な食べ物によって単細胞ながらも大きく成長しますが、サンゴと違ってみんなで一つの固まり(群体)になりません。ですから1匹1匹が単体で死んで、その死骸が積もり積もって砂浜になったのです。


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