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第1回 〜さかなとはなんだろう〜

 

 
 このコーナーでは水中生物である「さかな」をターゲットにおなじ水中生物であるカイ、カニ、エビ、クラゲ、ナマコなどと「さかな」はどこがどのように違うのかを「基本にかえって(Back to Basic)」考えてみたいと思います。第1回目は「さかなとはなんだろう」です。 
 
〜さかなとはなんだろう〜 

 イヌやクマはもちろん、エビやカニ、タコやイカでも、さかなだと思う人はいないでしょう。同じ水の中にいても、なぜ、カニやイカはさかなではないのでしょう。いったい、どこがさかなと違っているのでしょう。 

 それは背骨です。カニやイカにはさかなの背骨に当たるものがありません。背骨はたいへん大切なさかなの特徴です。それでは、イルカはどうでしょうか。イルカにはりっぱな背骨があります。ひれもあります。ところが、イルカはさかなのようにいつも水の中にいることはできません。ときどき水面から顔を出して呼吸しないと死んでしまいます。わたしたち人間と同じように空気を呼吸して生きているのです。 

 それに対し、さかなは水にとけている空気をえらで呼吸することができます。もうひとつ、イルカがさかなと違うことがあります。イルカは、人間と同じように決まった体温を持っています。ところが、さかなの体温は決まっていません。まわりの水と同じ温度に近く、水の温度があがればさかなの体温もあがり、水の温度がさがればさかなの体温もさがります。 

 さらにもうひとつあります。イルカはこどもを産みます。産まれたこどもは母乳を飲んで育ちます。それに対してさかなはみんな卵を産みます。子ざかなを産むように見えるもの(たとえばウミタナゴやタツノオトシゴ)も、体の中で卵がかえってでてくるだけなのです。 

 それでは、カエルやイモリはどうでしょうか。カエルもイモリも水の中に卵を産み、かえったこどもはえらで呼吸します。しかし、親になるとえらはなくなり、長い間、水の中にいるとおぼれ死んでしまいます。 

 それよりも、もっとわかりやすい違いがあります。それはうろこです。カエルにもイモリにも、うろこはありません。 

 動物は、背骨のある脊椎動物と、背骨のない無脊椎動物に大きく分かれます。そこで問題です。陸上・水中問わず、脊椎動物のうちでいちばん種類の多いのどの仲間でしょう。実はさかなのなかまが最も多いのです。およそ、2万種類もいます。つぎは、鳥のなかま、3番目が、ワニやヘビのなかまのは虫類、4番目が、わたしたち人間もはいるほ乳類、もっとも少ないのはがカエルなどの両生類です。 

 それでは最後に、ここでもう一度さかなの特徴をまとめておきます。 

  1.水の中にすむ 
  2.背骨がある 
  3.卵で産まれる 
  4.体温が決まっていない 
  5.えらで呼吸する 
  6.うろこがある 

(つづく)

 


参考文献:学研の図鑑 「魚」 (学研)