屋久島旅行記 - 白谷雲水峡 -

はじまり

宿で朝食をとり、8:36発のバスに乗って約30分、白谷雲水峡の入り口に到着する。 入り口には管理棟 (案内所) があり、帰るまでの時間を言うと適切なコースを紹介してくれる。

マップ

入り口で渡されるマップはこんな感じ。 (注: このマップは、形は合っているけど、距離はいいかげんです)

白谷雲水峡マップ

青い矢印が、案内所で聞いたおすすめコース (約5時間)。白谷雲水峡の大部分を見ることができる。

いきなり度肝を抜かれる

杉と地衣類 清流

コースを決めて歩き始める。最初は歩きやすく整備された歩道が続く。

森に入るとすぐ、杉を中心とした樹木の鬱蒼とした風景を楽しめる。 そこを流れる川も清清しい。 声には出さないものの、心の中で感嘆しながら歩を進めていく。

天候は快晴で、陽のあたるところでは暑さを感じるが、 森の中には少しひんやりした空気が流れている。

原生林歩道

二代大杉 目印

しばらく歩いていくと、最初の大杉「二代大杉」にたどり着く。

でかい。とても写真に収まらない。

二代大杉を過ぎると、そこまでの歩きやすい歩道は終わって原生林歩道になる。 道もあるのだか無いのだかいまひとつはっきりしない。

頼りになるのは樹木につけられたピンクのテープだ。 道のはっきりしないところでは、目印にたどり着いたらそこで次の目印を探す。 それを繰り返して奥へ奥へと進んでいく。

原生林歩道にそって、「三本足杉」「びびんこ杉」「三本槍杉」「奉行杉」などの屋久杉が現れる。

緑の世界

緑の世界
クリックすると拡大します

楠川歩道との分岐を右へ、「くぐり杉」をくぐり抜けてしばらく行くと「白谷小屋」に到着する。

一休みして、ペットボトルに水を補給し、さらに奥を目指す。 そこから10分ほど行ったところが、「もののけ姫」の舞台になった場所。

言葉を失う。樹木、岩、倒木、あらゆるものが苔に覆われた緑の世界だ。


腰をおろしてしばらく幽玄の世界を楽しむ。

パノラマ

また帰りにも見られるから、と、もっと眺めていたいという気持ちを残して、 次の目的地「太鼓岩」を目指す。

分岐点「辻峠」からは厳しいのぼり道が続く。 道もはっきりせず、何度も目印を見失ってしまう。

15分くらい歩いて「本当にこの道で合ってるの?」と少し不安になったころ、 上のほうから話し声が聞こえてくる。 到着か、と少し進むと、いきなり眼前の展望が開ける。


「うわー」

太鼓岩からの展望

つい声が出てしまう。

とにかく雄大の一語に尽きる。 ここまで「大きさ」を感じられる風景は、いままでほとんど見たことが無い。 クサイけれど、人間ってちっぽけだな、などと考えてしまう。

お弁当を食べる。 こんな絶景を眺めながら食事をしたのは、私の人生始まって以来だ。

ここに来て、登山をする人の気持ちが少しわかった気がする。

復路

弥生杉

太鼓岩を後にし、道に迷いながらも辻峠にたどり着き、 「もののけ姫」の森を再度通過する。

復路は原生林歩道ではなく、「楠川歩道」を通る。 こちらは整備されており、歩きやすい。 時間の少ない人は、往路に楠川歩道を通って、余裕があれば原生林歩道で帰るのがいいだろう。

バスの時間まで余裕があるので、「弥生杉」を見るコースを通って、 入り口まで帰り着く。 裸足になって清流で足を冷やす。気持ちいい。

白谷雲水峡は、今回の旅行中ベストの体験だったのは間違いない。 行く機会のある人は、なるべく天気のいいときに、ぜひ太鼓岩を訪れていただきたい。

屋久島旅行記 INDEX に戻る