GUY


 NEW JACK SWING。「テディ・ラリー」が作品の全てに用いられた形容であり、そして89年にはこの言葉が一人歩きしかのようにブラック・ミュージック全体を包み込んでしまった音でありました。

 「ガイ」。元は1st盤・発売寸前までメンバーだった「TIMMY GATLING」が発案し、「テミィ」と同じグループ「KIDS AT WORK」のメンバーだった「テディ・ラリー」に話を持ちかけたのがきっかけで出来たコンセプト。その後、当時大学生だった「アーロン・ホール」をメンバーに加えデビュー盤の発売準備が整った時に、いきなりの「テミィ」が脱退(「制作時に自分の意見が採り入れられなかったことに、へそを曲げたとのこと)。っで、急遽「アーロン」の弟「ダミオン・ホール」が参加する形で出来上がったグループであります。っで、デビュー盤発売。1stカット"Groove ME"の大ブレイク!。その後の「ガイ」の快進撃は、「テディ」のプロデューサー作業を含め、サントラ盤への参加等、ブラック・シーンの頂点を極めた・・・正にそんな感じでしたね。
                  
 さてさて、そんな順風満杯な時に制作された2ndアルバム"THE FUTURE [MCA '90]"。時代は「NEW JACKS」色・一色に染まり、ビート&メロディ問わず・テディとしてもオリジナリティーが要求される中で作られたアルバムだと思わるこの作品・・・私は1st盤よりもこちらの盤の方が好きなんであります。作品の完成度から言ったら、多分・こっちだと断言しちゃいますね!。
                  
 1stカットの#2"Wanna Get With U"をはじめアップでのビートは、より筋肉質になった重たいグルーブ感を展開していますし、スロー部では名曲#5「Let's Chill」をはじめ・粘り歌い吠える「アーロン」の姿が前回盤よりも強固に感じましたしね。いやいや、ホントは最もストレートなアップ・ナンバー#11"Let's Stay Together"が一番・好きだからかな?(でもこの曲、チャート下位から浮上しなかったんだよねぇー)。
                  
 しかし・・・92年にグループ解散、メンバーはそれぞれの道を歩み始める。「テディ・ラリー」はソロでサントラ盤参加をこなす後、「ブラックストリート」の活動を開始。「アーロン・ホール」はソロアルバムを2枚発表。「ダミオン・ホール」はソロアルバムを出した後、映画俳優へ。もう私の中でも「ガイ」と言う言葉は薄れかけていた90年後期、いきなりの復活劇に心弾ませたのは言うまでもありませんね!。もっと凄いのは、「テディ」曰く・これから先も永遠に活動していくグループだとのことでーす(^o^)グゥーレイト!。果たして・・・ホントかなぁー(^^???

 <その他、アルバムレビュー>

 GUY [MCA '88]

 正しく「NEW JACK SWING」を語るに欠かせないアルバムであります。作品の格好良さもさることながら、この後のシーンを!ビートを!メロディー・ラインを!ボーカル&コーラススタイルを!完全に揺さぶった一枚(^^!!!。とにかく当時は出だしの"Groove Me"から鳥肌を立てて聴いていたモノでありますです。そーそー!、あまりに・いきなりに火が付いたこのアルバム・・・こと日本での対処が遅く、解説付き国内版が出回るまで1年もかかってしまった・・・っと言う有名な話がありましたねぇー。
 DAMION "CRAZY LEGS" HALL / STRAIGHT TO THE POINT [MCA '94]

 「ガイ」解散後の、「ダミオン・ホール」のソロアルバムです。まっ、メンバー内でダンサー思考が一番強かった彼ではありますが、この作品はお兄ちゃん同様に歌い込み重視の作品・・・雰囲気的に「クリストファー・ウィリアムズ」的な感じがしますね!。それにしても、お兄ちゃんとのデュエット曲・「ダニー・ハッサウェー」のカバー#5"A Song For You"は突出しているなぁー(^^!!!。(お兄ちゃんの方が、かなり目立ってはいるけれど・・・)
 GUY III [MCA '00]

 3人がそれぞれの道を歩んでいた90年代中期〜後記・・・しかし、「GUY」の復活盤は、「ブラックストリート」が活躍していた同時期に平行してレコーディングされていたとのことであります。作品的は今時のR&B的要素が強く、正直・とても「NEW JACKS」ファンの楽しませる内容ではないと思いますが、でも・・・これから何枚もリリースする「スーパー・グループ」だと考えると、今回のは序曲であり・単に通過点の作品であり、自作ではR&Bを超越するような盤が発売されるような気がします。それも・・・テディの気変わりが無ければの話ですが・・・。


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