3、試験に対する総括意見

技能検定試験の内容の意味に付いて、いろいろ偉そうに書いてきましたが、やはり、試験に合格して初めてプロですから、
その為には、試験の内容をよく理解して、プロらしいプロに成って頂きたいです。

特に実技試験は、普段の仕事ぶりが大きく影響して出てきます。
本当のプロに成れば、お客様との接し方、納期、仕事の丁寧さ、約束、作業条件、など等書いてきたとおり、
いろんな事に気を配りながら丁寧に仕事をしなければ成りません。

その為の試験ですから、各項目に添った注意を払いながら試験を受けられる様になると、合格するでしょう\(^O^)/
やはり、仕事は気持ちに余裕を持って行う事が大事です。
しかし、余裕が無ければ態度も、作業効率も、出来た製品も悪くなってきます。
そうすると、100万円の仕事が、40万円、50万円に成ってきて、結局代金を頂けなくなってしまう。と言うことに成ります。
そうなると、当然試験も不合格(>_<)

そこで、自分の作った作品を見てください。
「自分の作った製品がお店に並べられて、それを買いますか? お店に並べてもらえる品物ですか? お客様に買ってもらえる品物、売れる品物が作れないとだめですよ。お店に行って、誰も傷のついたものは買わないでしょう。 誰も歪んだ物や凹凸の有るべこべこの物など買わないでしょう? 喜んで買ってもらえる製品を作らないとだめですよ」

要は、試験課題がなぜ3ヶ月も前から出されているか!と言う事です。

その3ヶ月間で、試験に意味を理解して、余裕を持って試験を受けて合格出来るようにしてください。
そうすると、試験を受ける時点ではプロとしての自覚も自然と会得できて合格できるでしょう。と言う事なんだと思います。
「俺は、実力も経験年数も有るから、何も練習しなくても大丈夫だ」なんて思っていると大きな間違いですよ。

試験は本当のプロに成るための試験。と何度も言ってますが、
試験に落ちれば、プロではないんです。
もっと言えば、技術が無いんです。
腕が悪いんです。
ここは、何としても合格をしなければ恥ずかしい世界なんです。
代々から上げて有る看板を下ろさなければ成らない位の下手な腕なんです。
腕が悪いと落ちます。
本当に、試験に落ちたら看板を下ろす!位の覚悟で真剣に取り組まないと、
試験を受けさせた親や親方が恥を掻く訳です。

最終的に言いますと、本当のプロに成る為の試験というのは、
試験を受けるにあたって、各項目毎に書いた、試験の奥に有る意味を理解して頂きたいことです。
各項目の意味を3ヶ月間の練習で会得して頂きたいんです。
試験の意味も分からず、唯試験を受ける。
その程度では、例え合格してもあまりプロとしての値打ちが無いと思いますよ。
十分理解できた上で試験に臨んで頂きたいんです。
そうすれば、試験の意味も自然と身に付き、会得できて必ず合格します。
そして、技能士と称され、プロに成った時に、そういう気持ちが出来ていれば仕事も楽しめるはずです。

そして、この技能検定試験課題には、すごい腕、技が入っています。
1級を完璧にマスターすれば、凄いもの作りが出来ます。
まず、歪んでしまった場合には、どうするのか?
最初から作り直すのか? 修理するのか?
時間的にはどうかな?間に合うかな?
そこで歪んだものを直す。
お客様からの修理品と思えば、何とかして直す。
つまり修理技術が身に付くんです。
また、
借り出し部分は何でやっていますか?
こまの爪と金槌。 他には何も要りません。
5mmのハゼを起こすのに、プライヤーやペンチなどを使っているようでは、1級の値打ちがありません。
叩いて伸ばす。そして、叩いて縮める。
ここには、(絞り)と言う技術が入っています。
これをきれいにマスターすれば、壺や、擬宝珠などの丸いものの打ち出しもできるようになります。
そういうすばらしい技術がぎっしりと詰め込んで有ります。
それをプライヤーなどで起こして、潰していたのでは1級の技能士とは言い難いですね。
一生掛かってもそんな技術を会得する事は出来ません。

技能検定とは、そういうプロとしての精神と技術が身に付く、身に付けるための物だと思います。
そして合格すれば、プロとしての心と技術が身に付いているはずです。


どうか皆さん、がんばって本当のプロに成ってください。