2、プロ意識

4.課題の正確性・出来栄え

次に課題の出来の正確性・出来栄えについて書いて見ます。

受講生には、1級2級それぞれの製作課題が時間内に出来る様に前もって課題が送られて来ます。
普通学生時代の時の試験と言えば、試験当日に問題が出されて、回答をしていくのが当たり前でした。
ところが、技能検定試験は、前もって試験課題(問題)が送られてきます。
なぜでしょう?
試験まで約3ヶ月練習をする期間が与えられているんです。
と言うことは、約3ヶ月間練習をして、時間内に作れない様では、技能士とは認められません、プロとは認められません。と言うことです。
さらに、課題と同じものを作成しなければ成りません。

では、課題の正確性ではどのように考えるのか?
作業範囲(スペース)、態度、時間などに付いて、普段の仕事に当てはめて説明をしてきました、
課題の正確性に付いても、普段の仕事に大きく影響しています。
これが、試験では最も重要かもしれません。

普段の仕事に当てはめてみると。
お客様から、加工品の仕事を頂きました。
この加工品は、型の中にはめ込む物ですから、寸法どおりお願いします。
施工金額は100万円です。
という事で請負、早速取り掛かりました。
そして、納期までに完成して、お客様に引渡しをしました。
さて、加工して貰ったお客様が型の中にはめ込んで使おうとすると・・・・・・中々入りません(>_<)
そこでお客様は、指定した寸法を測ってみる事に・・・・・
すると!
長さが長い所や短い所が有る・・・・・
幅も少しずつずれている・・・・・・・
高さも寸法と違ってる・・・・・・・・
手垢や汗で汚れている・・・・・・・・
歪や凹み、が有り歪んでいる・・・・・
見た目が悪いし汚い・・・・・・・・・

これでは100万円の仕事を頼んだのにお金は払えない!(`´)
少しづつ値切らなければ、金は払えない!(`´)
なぜ型にはまらないんだ?
あっ!この5mmの所が6mm有る・・・・・・これは入らないはずだ!・・・・ここは値引きだな!(`´)
あれ!?全長が少し長い!・・・・・・これも代金を引いてもらおう(`´)
この円が、まん丸じゃない!・・・・・見た目が悪い!(`´)・・・・・ここも減額だ!
ねじれてる!・・・・・これも値引き!(`´)
何だよう!一番見える所が汗で汚れているし、半田付けの塩酸で汚い!・・・・最悪だなぁ・・値引き(`´)
高さが、注文をした寸法に合ってない!・・・・・・・これも減額!
など等・・・あらゆる所で値切られてしまった。
結果、100万円の仕事の請求書を持って、お客様の所へ行くと。
お客様からいろいろ苦情を聞かされて、
寸法的に間違いだらけで30万円引かれた。
そして見た目が汚くこれも25万円引かれてしまった。
結局、100万円の請求をして、45万円しか貰えなかった。
こんな事で、生活がやっていけるでしょうか?
「プロとして実際にはこんな事はありません!45万円にも値切られる様な物は恥ずかしくてお客様に引き渡し出来ません」

この、普段の仕事で言う値切られる部分が、試験での減点です。
100点満点の試験に45点では、まず不合格でしょうね。
プロとしてやって行けません。
やはりプロに成れば、100万円請求をして100万円を頂ける仕事をしなければいけません。
つまり試験を受けても50点や60点では、プロとは言えませんね。
やはり100点満点で合格をするのが本当ですが、中々100点満点と言うのは難しいでしょう。
仕事では100万円の仕事は100万円頂ける仕事をしないと、お客様は納得しません。
100万円が70万円に値切られては辛いですね。
つまり、70点でもプロとしては、まぁ失格でしょうね。
70点と言うと、寸法的にも相当間違いだらけだと思いますよ。

寸法の正確性・出来栄えと言うのは、プロとして一番重要な事であり、
お客様を喜ばせる一番の課題ではないでしょうか・・・・・