剣尾山の石仏 【能勢・亀岡】 2000.11.30
剣尾山(784m)は大阪府環状自然歩道の西の端、大阪府北部の能勢町と京都府亀岡市が境を接するところにある。山上は360度さえぎるものがない見事な眺望である。摂津・丹波の山々が、この時季赤・黄に染まり、まるで絵画を見ているようである。この山の特徴は山頂までいたるところに巨岩・巨石が散在している。巨岩・巨石といっても並の大きさではない。このような巨石がなぜここに在るのか不思議でならなかった。
剣尾山々頂へのコース途中の行者山(469m)は古くから摂津大峰といわれ修験場として知られていた。そのかかわりであろう彩色の磨崖仏は素晴らしい。剣尾山は磨崖仏を彫るには絶好の環境であるが、意外にその数は少ないと思った。巨石とバランスのとれた大掛かりな仏像を彫るのは並の石工ではできないし、時間も経費もかかる。あるいはこの地方では信仰の象徴として磨崖仏を造立することにそれほどこだわらなかったからであろうか?。山頂近くの旧月峯寺跡付近には剣尾山の山名の由来である、剣を降らせた不動明王の石像や六地蔵が悠久の時の流れの中に佇んでいる。