渡月橋から北へぶらぶら嵯峨野を散策すること約40分清滝のトンネルのちょっと手前に愛宕念仏寺がある。「ここが嵯峨野めぐりの始発点」と記されていた。愛宕念仏寺は平安時代に天台宗比叡山の末寺として建立された古刹で本尊は千手観音像である。
- 1200羅漢はこの寺の境内を埋め尽くしている。寺のパンフレットによると(昭和56年3月国家安泰と寺門興隆を祈願して仏教の祖釈尊とその弟子五百羅漢の石像で境内を充満させたいと発願しました。)とある。この趣旨に賛同する人々を全国から公募したところ善男善女がつぎつぎと境内
に集まり、それぞれの思いを込めて各自の手で自由に彫り上げた。カメラを持っている者、ギターを弾いている者、漱石の本を大事に抱えている者、しぐさも皆かわいらしく、にこにこ微笑んでいる。人間は孤独なものという、お釈迦様の教えはうそのようである。なかでも一番多いのが徳利を傾けている羅漢さん、お酒が好きだったんだな・・・・・。
おそらくはじめは500羅漢の予定であったが希望者が多く10年で1200にもなったのであろう。今は彫りたくても置く場所がない。
- 羅漢には六つの神通力があるそうな。1200躰の強力な法力(羅漢さんの笑顔やしぐさ)で清々しい気分になった。帰りに嵐山近くの平の屋で冷やっことビールで遅い昼食。「今日は月曜日で閑ですから、お注ぎしましょう」といってお酌してくれたのには感激した。
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ギターを持って
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漱石の本を持って
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夢を見ているのか
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楽しそう
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酒を酌み交わす
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幸せそう
- 【石仏辞典】
羅漢=仏教の祖釈尊のもとで、もっとも厳しい修行を積んだ弟子を羅漢(正式には阿羅漢)という。その中で、自ら信者を連れて仏教徒となった教祖が五百人いる。彼らを五百羅漢という。阿羅漢には天眼通・天耳通・他心通・宿命通・神足通・漏尽通の六つの神通力があり多くの人々を救った。