I 急性胃腸炎(感染性胃腸炎)

【どんな病気なの?】

病原体の感染により嘔吐・下痢・腹痛を起こす病気です。嘔吐・下痢が続くと脱水症となります。

多くは下痢ですが、おなかの動きが悪くなるタイプでは便秘となることもあります。

【原因は?】

ウイルス性と細菌性に分けられます。

多くはウイルス性です。ウイルスの種類として、こどもの場合に多いのはロタウイルスやアデノウイルスです。ノロウイルスが流行することもあります。細菌性の場合には大腸菌、サルモネラ菌、キャンビロバクターがその代表です。

【どんな検査があるの?】

必要に応じて血液検査や便の検査などをします。

1)血液検査

 熱が続く場合、まったく元気がない場合で、診察所見と合わせて細菌感染が疑われる場合には、血液検査が行われます。

2)病原菌検査

 細菌感染が疑われる場合には、便の培養検査をします。

【どのように治すの?】

細菌性が疑われる場合には抗生物質が処方されます。

ウイルス性(いわゆる「かぜ」)の場合には、ウイルス自体に効く薬はなく、整腸剤などを使い症状を和らげながら、自分の免疫の力で治るのを待ちます。細菌感染が考えられる場合には抗生物質が投与されます。     

【家で気をつけることは何?】

脱水症を防ぐことが治療の第1です。水分補給を心がけましょう。次の場合にはもう一度受診してください。

1)半日以上まったく水分が取れない場合

2)高熱が続く場合

3)元気がなく様子がおかしいと感じる場合

【水分は何をどのようにとればいいの?】

量は「少しずつ」が原則です。一度に飲むとせっかく飲んだものをはいてしまいます。いろいろな種類のものを交替で飲むのが好ましいです。

スプーンで少しずつから始めましょう。はかなければ徐々に1回の量を増やし、30分くらいあけながら与えます。また、お茶ばかりでは体の塩分が不足しますし、甘い飲み物(スポーツドリンクも!)ばかりでは腸に刺激となります。医療用イオン飲料があります(病院や薬局にあります)。

【どのくらいで治るの?】

通常、嘔吐は1日で落ち着き、食欲も少しずつ回復していきます。下痢は数日から1週間でよくなってきます。

 水分が取れず、脱水症が進む場合には入院が必要となる場合があります。