蝶ヶ岳  平成24年8月15日

0:15 到着した烏川の林道奥の駐車場で車中仮眠し、5:15 出発。空は曇っていて、目指す山は何も見えていない。標高1340mの此処から2677mの頂上まで標高差1337m、気合を入れて歩き始める。

林道途中にある三股登山指導所には、早朝なのに係りの人が既にいて、登山届を受け取ってくれる。届を出し少し歩くと常念岳への分岐。こちらは少し距離も長く厳しいようだ。

蝶への登山道に入るとすぐに吊り橋を渡る。下の沢は、前日からの雨で増水し大きな音を立てて流れている。

 林の中を進むと、最後の水場「力水」500ccのペットボトル2本は持って来ていたが、予備の為フィルムボトルに1000cc程入れる。そこから間もなく「ゴジラみたいな木」。お約束の写真を撮ったが、角度がいまいちでした。

緩い熊笹の道からやがて針葉樹林の急な道に変わり、息を切らせないペースで登り続け、7:20まめうち平。此処で初めてザックを下ろし小休止。

同じ場所での道標。蝶ヶ岳への「チョリソ」は辛いという意味かな?三俣への「プー」は、勿論判りません。

雨が降り始めてきたが、樹林に遮られているので雨具無しで登り続けられるが、眺望も遮られている。林の先はガスで何も見えない。

○○ベンチ。左上が剥がれていて読めない。羊歯が雨に濡れて綺麗だ。

シッカリできているので心配は無い。

気がつくとダケカンバが出てきた。根元が雪の重みだ曲がっているものが多い。雨が強くなってきたので、雨具の上だけ着ける。

ナナカマドも雨に濡れて鮮やかな緑を見せている。雨の山の数少ない良い点だ。

10:00最終ベンチ。既に1100m以上を登った。

周りのガスは増々濃くなってきて、少し遠くから先は何も見えない。これでは稜線に出ても一番の目的の槍・穂高の展望は絶望的になって来た。出会ったトレランの人から「稜線はひどい風ですよ、気を付けて下さい。」と助言を受け、雨具の下も着用することにした。

森林限界を越えハイ松の稜線に出ると、写真では判りにくいが、体を持っていかれそうな猛烈な風が吹いていた。横殴りの雨粒が顔に当たって本当に痛かった。穂高の眺望など微塵も無い。

よろよろと進み頂上間近まで来たが、とても稜線にとどまっていられず、10:30蝶ヶ岳ヒュッテに逃げ込む。ホットミルクを注文して一休みすることにした。
11:05下山を開始。外は相変わらずの強風が吹き荒れている。

中途半端な雨具なので、着ている服が大分濡れてしまった。トレッキングシューズの中も濡れてしまった。川のようになっている道をほとんど休まず降り続け、駐車場が見え始めたころには、さすがに脚が重くなっていた。

登りだしてから9時間半。14:47駐車場に帰り着いた。

車の傍で濡れた着衣を着替えていると、初めて山の姿がガスの向こうに見えてきた。今更晴れるのかと言いたくなったが、また濃いガスに覆われていった。期待していた、大好きだった穂高を見ることは出来なかったが、昔から雨の山も嫌いではなかったので、1337mの標高差を日帰りで往復出来たことと併せて、とても満足していた。