TOP

沖釣りコラム

釣り魚料理

四方山話

映画コラム

道具




ヤマハ・SC32のエンジンを、VOLVOの41から42に載せ換えすることにした。

今まで積んでいたボルボ41のエンジン、ここ2年まともに走ったことがほとんど無し。

乗員1〜2名の時はたまに走るが3人以上乗るとターボが効き始めの回転から吹けあがらず黒鉛モウモウ。

白い服を着てると下船時はネズミ色になっていて顔はシャネルズ。

船速もMAXで10〜12ノット。

向かい風だと7〜8ノットになることも。

心当たりの有る箇所は全て点検したがダメ、お話にならない。

エンジンが老衰状態でパワー不足としか考えられない。

中古の42エンジンが2基、格安であったので交換を決断。

41(200PS)と42(230PS)、エンジンの基本ブロックは同じなのでドライブもそのまま使える。(SC32は船内外機)

41がターボチャージャーだけだが、42はそれにスーパーチャージャーが付くので、41のターボが効き始める2500回転でのモタツキがなくスムーズに3000回転以上回る予定。

まず東京湾のホームポートから、なじみの修理工場のある相模湾・平塚まで回航して上架。

最初に41エンジンを船から外して降ろす。


載せ換える42エンジンはシャフト船で使っていたエンジンなのでエンジンマウントを付け替え船内外機用のパワステを付け替えようとしたらスーパーチャージャーが邪魔になって付かない。


41はコンプレッサーにオイルタンクが一体になってるタイプ。

42はスーパーチャジャーが幅をきかせていてオルタネーターの位置も逆でパワステのコンプレッサーはスーパーチャージャーの下に付けるしかない。

42用パワステはオイルタンクが別体になってるタイプで小型、42用だとオイルタンクが邪魔になる。

42用のパワステを購入するしかないのだが、取り合えずパワステは無しにすることにした。

パワステのリンクを外せばパワステが壊れた時みたいにハンドルは重くないしベルトを点検する手間が無くなるからと自分に言い聞かす。

交換する42エンジン、1基ヒートエクスチェンジャーに穴が開いていたので41から外して交換、他に不足してるパーツを難点か41から外して取り付けて簡単に整備して塗装もボルボカラーの薄ミドリで上塗り。

これで船に搭載準備は完了。

42エンジンを船に載せようとしたらスーパーチャージャーが張り出した分左エンジンは船の真ん中にあるエンジンルームの上の床板の梁に当たり、右側のエンジンは右船底から伸びてる仕切り板に接触するので、梁は削って、仕切り板は当たりそうな部分をカット。


(カットしたエンジンルーム上部の梁部分)



知恵の輪みたいに苦労しながら何とか船に搭載完了しドライブを取り付け配線、配管して試運転。

エンジンは快調に回ってるが左エンジンから多少微振動があり、ベアリングの音が少しうるさい。

右エンジン、アイドリングでもスーパーチャージャーが入りっぱなし。

しばらく回してないのでプーリーがくっ付いてしまってた。

そこを直して再度試運転。

今度は1500回転くらいからスーパーチャージャーも回り始めたが右エンジン方は3000回転を超えてもスーパーチャージャーが切れない。

リレーで調整しても駄目。

リレーが壊れてるみたいなので同じエンジンを積んでる展示艇からリレーを拝借して付け替えたら直った。

オルタネーターは塗装もやり直してあってオーバーホール済みとのことだったがテスターをあてて見たら発電してないので再度オーバーホール。

このエンジンを売った業者は信用ならない。

後日、実走航テスト。

エンジンは快調で黒鉛も噴かないでスムーズに加速。

パワステ無しのステアリングは重いが何とかなる重さ。

前の41エンジンとは比べ物にならないくらい良く走るが、エンジン回転が左が3200、右が3400回転しか回らない。

このエンジンは通常3800回転までは回るはずなのだが。

それでも24ノットくらい出るので後は船を使いながら直すことにして東京湾のホームポートに修理屋さんと友人の3人で回航。

快調に城ヶ島を回り東京湾に入り、後10分くらいで到着という時に左エンジンから異音が。

船を止めてエンジンルームを開けたらターボチャージャーの排気側から排気漏れ。

大した事なさそうなので、その日はホームポートまで航行して係留。

翌日、前の41エンジンからターボを外して排気漏れしたターボと交換。

排気漏れは直ったが何かおかしい。

左エンジンのヘッドカバーを外してみたら何と1番ピストンのバルブが1本折れていた。

後日、右エンジン1基の片肺で再度、平塚まで回航して上架し左エンジンを降ろす。

エンジンを開けたら折れたバルブの平たい部分は縦にヘッドに引っかかった状態でピストン上部に当たってピストン上部は抉れてる。




他のピストンも何箇所かかじった様な痕がある。

修理屋さんに中古エンジンを売った業者に掛け合ってもらったら修理部品代と諸々の費用は負担してくれるとの事。

6気筒の内、ピストン3個はやばそうなので新品と交換し、バルブとスプリングは41エンジンから状態の良さそうなのを選んで交換。


シリンダーとヘッドはボーリング屋で摺り合わせ修理。

組みなおしたエンジンを再度搭載して修理完了とあいなったがそれだけでは済まなかった。

2010.12

クルーザーのエンジン載せ換え奮闘記 其の1