ノグチゲラの繁殖期が終えた7月から工事を始めるとしていた沖縄防衛局だが、7月1日の朝から、東村・高江のN4,N1ゲート前は静けさに包まれていた。蝉と野鳥の鳴き声がするなか、イノシシがテント前をゆっくりと横切り、小さな生き物たちがうごめいていた。小さな集落の粘り強い住民の闘いは、沖縄内外に共感の輪を広げ、座り込みテントを訪れる人があとを絶たない。ゲート前には政党と平和運動団体の宣伝カーが横付けされていた。夜は満天の星空。やんばるの森の暗闇に足を踏み込むと、蛍が乱舞して、星空との境界をあいまいにする。そんな静寂を、米軍ヘリの爆音が切り裂く。時計を見ると夜の9時を回っていた。