集会宣言

去る11月6日、松沢神奈川県知事は米国ワシントンでこう発言した。「普天間基地の移設先が決まらないと米軍再編が遅れてしまう…」「移設先は辺野古以外にない…」等々と。また帰国後の記者会見では「空母艦載機の岩国移駐も遅れてしまう…」と発言した。

基地県に住み、働く私達は誰よりも基地がもたらす被害、苦しみを知っている。そう、痛みを知っているからこそ、その痛みを他所に押しつける道を選ばない。痛みを知っているはずの基地県の知事が行った先の発言を、私達はいたたまれない気持ちで聞いた。

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「米軍再編」で一体、どれだけ基地負担が軽減されたのか。神奈川では、キャンプ座間への第1軍団前方司令部の移駐、陸上自衛隊中央即応集団司令部の移駐計画、相模総合補給廠での戦闘指揮訓練センターの建設が現に進められている。空母艦載機の厚木基地から岩国への移駐も計画されているが、これによって厚木基地の爆音被害が解消されるのか。修理施設、訓練空域の存続で、艦載機が厚木基地に引き続き飛来することも懸念される。かえって、違法爆音が拡散、たらい回しされてしまうのだ…。

「米軍再編」と並行して、昨年9月には横須賀に原子力空母ジョージワシントンが配備された。また、池子米軍住宅では横浜市域に700戸の住宅を増設する動きが進行中である。一部返還の日米合意はあっても、それらは負担の軽減と言えるほどのものではない。それに数倍する基地強化の波が今、神奈川に押し寄せているのだ。基地の強化・恒久化は県民、市民のいのちとくらしを脅かすばかりでなく、有事には戦争の拠点、後方支援の役割を果たす。神奈川の基地はイラク戦争で何をしたのか。横須賀基地を母港とする艦船が巡航ミサイルを撃ち込み、厚木基地をホームベースとする空母艦載機が空爆を行った。相模総合補給廠からはアフガニスタンにベースキャンプセットが送られた。海上自衛隊が横須賀基地からインド洋に、たびたび護衛艦、補給艦を派遣したことも忘れてはなるまい。

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私達は様々な基地負担を被る当事者として、松沢知事に先の発言の撤回を求めたい。また、吉田横須賀市長に違法爆音の解消のためには、原子力空母の母港撤回が必要であることを伝えたい。私達の求める基地負担の軽減は基地の縮小・撤去である。改めて、オバマ政権と鳩山政権に、基地の新設、強化を図る日米軍事再編の白紙撤回を求めよう。本日集会に参加し、連帯のアピールを寄せていただいた沖縄・辺野古、岩国の人々らとともに、基地の新設、強化を許さぬ闘いを強めていこう。

                                            20091121

      日米軍事再編と基地強化を許さない11/21厚木基地行動参加者一同