抵抗する勇気・日米交流「アメリカばんざい」上映集会報告

311日、大和市健康福祉センターホールにて、「抵抗する勇気」日米交流+「アメリカばんざい」上映集会が開催され、300人の会場がほぼ満席となりました。「抵抗する勇気courage to resist」は、2003年にイラク侵略戦争への従軍を拒否した最初の海兵隊員・ステファンファンクの支援活動を契機にサンフランシスコで誕生し、従軍を拒否する兵士と家族の支援をしています。この「抵抗する勇気」の責任者のジェフ・パターソンさんとテキサス州サンアントニオ市で米軍基地の環境汚染問題に取り組む地域ユニオンのメンバー3人が来日、今月下旬の沖縄まで各地の反戦反基地運動との交流ツアーを展開します。メンバーは11日当日に地元のキャンプ座間ゲート前抗議行動に合流した後で、夜の上映集会でスピーチ。PTSD、自殺、貧困、ホームレスという帰還兵の悲惨な現実とアメリカ国内の米軍基地周辺の深刻な環境汚染の実態が語られました。海兵隊員として沖縄の米軍基地にいたことのあるジェフさんの「基地の外から抗議行動をする沖縄の人々に中から声をかけることはできなかった。今回、沖縄の人々に出会えるのが本当にうれしい」という発言が印象に残りました。

「アメリカばんざい」は、藤本幸久監督・森の映画社制作。06年から08年にかけて全米各地を延べ7回、200日に渡り帰還兵とその家族への取材を重ね、「戦争大国」アメリカの陰の部分を抉り出します。上映集会で藤本監督は「マスコミではアメリカの大きな声しか伝えないが、この映画では小さな声をたくさん集めました。アメリカの小さな声に耳を傾けてほしい」と述べていました。一人でも多くの人に見ていただきたい映画です。

*以下は、メモを基に作成しましたので、不正確な部分があるかもしれません。文責は管理人にあります。

◇ジェフ・パターソンさんの発言

 カリフォルニアの田舎町を抜け出したくて、海兵隊に入隊し沖縄に赴任した。そこで見たのは、沖縄の人々に対する海兵隊員の人種的な偏見と差別。韓国・フィリピンに行っても同様だった。沖縄で核弾頭を扱う任務に就いたが、なぜ自分はこんなことをしているのか、沖縄の人はなぜあんなに抗議するのか、基地の中では何も口に出せなかった。4年間兵役を務めて帰国するつもりだったが、湾岸戦争が始まり、派遣を命じられた。上官からは「核を使ってイラクの人々を殺すこともある」と言われ、事前訓練で広島の原爆の映像を見せられた。とても自分にはできないと思った。「私は湾岸派遣を拒否する。核を使って人殺しはできない」と言って、軍の刑務所に2ヶ月間拘留された。除隊後、兵役を拒否する若者を支援する活動を続けている。今回の交流ツアーで、沖縄にいたときに基地の外から抗議活動をしていた沖縄の人々と出会えるのが楽しみです。

◇ジル・ジョンストンさん

 アメリカ国内には7000もの軍事施設があるが、そのほとんどが周辺州の先住民を追い出して土地を強奪した地域に集中している。私たちが15年前から活動するテキサス州サンアントニオ市もそんな地域で、8つの基地がある。特に空軍の武器や戦闘機の開発・管理・貯蔵を任務とするケリー空軍基地の環境汚染問題に取り組んでいる。米軍の海外活動によるあらゆる種類の有毒物質がサンアントニオに廃棄される。周辺にはメキシコ系の先住民がたくさん住んでおり、多数のガンや先天性障害、出産異常が多発している。政府と軍は「安全だ」と嘘をついている。

◇ディアナ・ロペスさん

 大学に通いながら地域ユニオンの環境汚染問題に取り組んでいる。空軍基地周辺に住んでいるので、何も知らずに汚染された川で水遊びもしてきた。高校では、貧困家庭と非白人学生を狙って軍がリクルートする。私もパイロットになるのが夢だったので、空軍に入隊するとサインしたが、その後、ユニオンの活動に関わり、軍と軍事産業が地域と学校を巻き込みながら地域を軍事化していく実態を知るようになった。米軍基地と闘うには軍事産業に対する取組みも必要だ。キャンプ座間のゲート前行動に参加して、同じように米軍基地と闘う人々がいることを知ってうれしく思いました。