m-stick Music PC  2017年5月25日~ 作成

 スティック型PCとして2014年暮れに発売された mousecomputer 製m-stick MS-NH1を利活用できないか検討した(2015年購入 ¥19,800)。低スペックの古いパソコンでも軽快に動く Linux をインストールしてみる。このスティックPCはファンが無い。従って、完全ファンレスの音楽専用パソコンとして蘇らせることができるかも知れない。私がなじんでいるのは Debian 系。いつもの Ubuntu 16.04 LTS をインストールする。

1.Ubuntu インストール用 USBメモリの作成
 Ubuntu 16.04 LTS 64bit (2021年4月までサポート)のISOイメージの入手。ダウンロードもしくは雑誌の付録。これをブータブルUSBメモリ作成ソフトでインストール用USBメモリを作る。以下のような作成ソフトがある。
  Novicorp WinToFlash Lite
  rufus
  unetbootin-windows
  Universal-USB-Installer
 今回は作成速度が速いように思い Rufus を使用した。32bitUEIF用に bootia32.eif というファイルが必要になる。これは、Windows8.1以降のOS起動ディスクに含まれている。 efi>boot>の中のbootia32.efi をコピーし、USBメモリ内のUbuntu起動ファイル内の EFI>BOOT> 内にペーストする。 これはダメ。ネットから持ってきたほうがよい。
 

2.Ubuntu のインストール
 USBメモリを挿し、m-stick の電源を入れ、すぐにEscボタンを押すとUEFIが起動する。Boot From File が2つ出てくる。USBと書いてある部分を選択。先の EFI>BOOT>bootia32.eif を選択すると、GRUB画面に遷移。Install Ubuntu を選択。インストールが開始する。

 インストールの過程で出てくる画面のうち、
 「使用中のパーティション 云々 」 → /dev/
mmckblk0
 「以下のパーティションは初期化されます」 → MMC/SDカード1(mmcblk0)の
パーティション2をext4に

 インストール終了、再起動。ネットで検索するとGRUB画面を再度出し、後手順が必要とある。Cキー押下でgrub編集に入る。この時、先の赤文字で記述した情報が必要になる。grub> linux (hd1, まで打ち込んでからTabキー押下で有用な情報が得られる。

grub> linux (hd1,gpt
2)/boot/vmlinuz-xx-xx-xx-xx-generic root=/dev/mmcblk0p2 reboot=pci
grbu> initrd (hd1,gpt
2)/boot/initrd.img-xx-xx-xx-xx-generic
grub> boot

 上記の手順が必要か否か定かではない。Ubuntuの再インストール時には不要であった。

3.Music PC への道 2017年5月26日
  ハイレゾ化に向け用意した USB DAC 再生モードをLED表示で確認できるPAV-HADSDと以下のものを使用。Windows10Prox64環境の "foobar2000" でDSDのネイティブ再生まで可能であった。
  Princeton PAV-HADSD
  Micro Precision DH1
 m-stickの外部メモリカードスロットルに64GB micro SDHC カードを挿入し、以下の3種類の音楽データを書き込んでおく。
 ①-FLAC   En Vogue - Masterpiece Theatre (CDからflac変換)
 ②-WAV   井上陽水 - 平凡 (アナログレコードからWAV24bit96kHzにデジタル化)
          Queen - A Night at the Opera(Blu-ray Audio Disk からリッピングWAV24bit96kHz)
 ③-SACD   Pink Floyd - Dark side of the Moon(SACDからPS3初期型でリッピングDSD64_.dff)
-(1)VLC media player の導入
 Ctl+Alt+Tで端末を起動
 $ sudo apt update
 $ sudo apt install vlc browser-plugin-vlc
VLCを起動し、上記音楽ファイルを再生してみる。③のDSDファイルは予想通り再生不可。①FLACは44.1Hzで再生するが、②のWAVファイルは48kHzでの再生になる。Default再生になっているため設定を以下のように変更し保存する。
 ツール>設定>オーディオ>出力デバイス>SA9227 USB Audio,USB Audio Front Speakers
めでたく 96kHzで再生できるようになった。
-(2)Wineそしてfoobar2000の導入
 Windows用のアプリケーションをLinux上で動かすエミュレーター「Wine」をインストールし、DSDファイル再生に実績があり評価が高い無料ソフト「Foobar2000」でチャレンジしてみる
 $ sudo apt install wine
 次に、foobar2000関連のDSD再生手順をインストールする。必要なコンポーネントは、"foo_out_asio"、"foo_input_sacd"そして"foo_out_wasapi"である。最後にUSB DACのドライバをインストールした。Outputを"WASAPI(push):USB DACの名称"として再生。結果は、①FLAC、②WAV双方問題なく再生できた。一方、③のDSD再生については同じ設定でToolsのSACDの Output Mode>PCM にすれば再生できる。PCM変換再生(DSD64 →PCM 176.4kHzなど)は可能。Output ModeをDSDにすると再生不可。Output>ASIOを見るとドライバがインストールできていない。
4.総括 2017年5月28日
 スティック型PCは現在も発売が続いているが、FAN搭載機種が増えている。夏場にはファンレスでは無理なのであろう。また、今回使用した初期型のものはしょっちゅうハングアップする。USBを認識しなくなり、そろそろ潮時と考え廃棄することにした。
 しかし、Linuxでの音楽再生は評価が高く、別のファンレスPCとしてGIGABYTE Windows 10搭載ファンレス仕様の超小型PCキット GB-BACE-3000-FT-S をamazon に注文した。(¥20,500)




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