番外編  2017年6月15日~ 作成

 今回ファンレスPCとしてGIGABYTE Windows10搭載ファンレス仕様の超小型PCキット GB-BACE-3000-FT-Sを購入した。6月1日時点で総括したようにDSDのNative再生ができていないので、このCompact PCにいくつかのLinux distributionをインストールしてみた。
 ①Ubuntu16.04 LTS 32bit
 ②Ubuntu Studio 16.04 LTS 64bit
 ③Ubuntu Studio 14.04.05 LTS 32bit

 そうこうするうちにインストールに失敗したと思ったら、全く動かない。BIOSを確認するとストレージが認識できていない。販売代理店に問い合わせたところ、CMOSクリアをしろということでしてみたが変化なし。ネットでいろいろと調べると、ブートローダーが壊れているらしいことがわかった。

1.ブートローダーの修復とeMMCのパーティション操作
 Ubuntu 16.04LTS 64bitのインストール用USBメモリを用意する。Compact PCの電源を入れ、すぐにDeleteボタンを押すとbios画面が起動する。Boot の項でUEFI USB メモリを選択しsave&exit。一番上のTry Ubuntu を選択。UbuntuがLiveモードで起動する。
 Ctrl+Alt+Tで端末を起動、次のコマンドを打ち込む。
 $ sudo su -
 # add-apt-repository ppa:yannubuntu/boot-repair
 # apt update
 # apt install -y boot-repair
 # boot-repair

 ブート修復ソフトが起動する。おすすめの修復を選択。
  

 ブートローダーは修復できたかもしれないが、ここではOSをクリーンインストールできるようにすることを主眼としている。
 # fdisk -l
と打ち込むと、
 /dev/mmcblk0p1 ~ /dev/mmcblk0p3 の他に /dev/mmcblk0boot1 と /dev/mmcblk0boot0 がある。このboot0boot0 とかが壊れていたのか。

つぎに GParted を起動し、/dev/mmcblk0p1 ~ /dev/mmcblk0p3 を削除し一つのパーティションにしておく。

 下図は上記作業後に新たに Ubuntu 16.04 LTS 64bit をインストール後のストレージの状況である。

 


2.DSD Native 再生への道
 検証用には次のUSB DACを使用する。
  Princeton PAV-HADSD
  Micro Precision DH1
 同様に、外部メモリカードスロットルに挿入されている64GB micro SDHC カードには、以下の3種類の音楽データが存在する。これを流用する。
 ①-FLAC  En Vogue - Masterpiece Theatre (CDからflac変換)
 ②-WAV  井上陽水 - 平凡 (アナログレコードからWAV24bit96kHzにデジタル化)
         Queen - A Night at the Opera(Blu-ray Audio Disk からリッピングWAV24bit96kHz)
 ③-SACD  Pink Floyd - Dark side of the Moon(SACDからPS3初期型でリッピングDSD64_.dff)

 OSは Ubuntu 16.04 LTS 64bit
 BIOSで内部オーディオを disable にしておくと USB DAC だけが選択肢になる。
-(1)Low Latency の導入
 Ctl+Alt+Tで端末を起動、ルートユーザーに。
 # apt -y install linux-lowlatency
 # reboot
-(2)Wine1.8 の導入
 「Wine」のインストールに挑戦した。
 # add-apt-repository ppa:ubuntu-wine/ppa
 # apt update
 # apt -y install wine1.8 winetricks
 
 つぎにDASHでWINE設定を起動し、windows10を選択。

-(3)Foobar2000 の導入

 最新の foobar2000 をダウンロード。foobar2000関連のDSD再生コンポーネントをインストールする。必要なコンポーネントは全く同じに"foo_out_asio"、"foo_input_sacd"そして"foo_out_wasapi"である。最後に2つのUSB DACのドライバをインストールした。
 Output を"WASAPI(push):USB DACの名称"として再生。結果は、①FLAC、②WAV双方問題なく再生できた。
 一方、③のDSD再生については同じ設定でToolsのSACDのOutput Mode>PCMにすれば再生できる。PCM変換再生(DSD64 → PCM 176.4kHzなど)は可能。Output ModeをDSDにすると再生不可。Output>ASIOを見るとドライバがインストールできていない。

-(4)何やらできたらしい
 Output を"
DSD:WASPI(push):USB DACの名称"として、SACDのOutput Mode>DSDとして再生すると、Foobar2000の表示が”DSD64 | 5645kbps|2822400Hz | stereo”と表示された。雑音も入っておらずNatve再生ができているようだ。ただし、Micro Pricision DH1 のほうはできたが、もう一方はうまくいかなかった。
3.総括 2017年6月16日
 無音パソコンでの、Linux マシンでのDSD Native 再生にチャレンジし、何とか一つの解を得ることができた。普遍性があるとはいえないまでも、低スペックのファンレスパソコンで達成できた。
 2017年9月10日追記
 何かと使い勝手が悪いので Windows10 のインストールを試みるも同じ状況に追い込まれ、結局 Linux しかインストールできないようになってしまった。最近購入したテレビに接続して、もう一台の Ubuntu のSambaサーバーから映画ファイルを鑑賞するのに絞り使用用途を決めた。


4.参考にした Website

 boot-repair 関連
 wine関連



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