睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは


 寝ているときに呼吸が止まり、大きないびきを繰り返す病気です。 現れる症状のの代表的なものは 習慣性の強いいびき、日中の強い眠気です。
 睡眠時無呼吸症候群は、健康と思われる成人の中にも数多く潜在しています。 高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患、夜間突然死との関連も指摘されています。
 日中の眠気による交通事故、労働災害、仕事や学業の能率低下など、極めて重大な社会問題を引き起こす病気です。   

 また、睡眠時無呼吸症候群は,さまざまな生活習慣病を合併すると言われ、次のような危険性が報告されています。

睡眠時無呼吸症候群の合併症
 1)高血圧が2倍
 2)冠動脈疾患が3倍
 3)脳血管疾患が4倍
   の危険率がある

 特に習慣性の強いいびきがある人
  心筋梗塞の発生率が4倍

 交通事故の発生率
  一般ドライバーの7倍の発生率

 有病率 
   人口の1−2%


睡眠時無呼吸症候群のタイプ 

 閉塞型: 睡眠時無呼吸症候群の中で一番多いタイプで、無呼吸のときに胸郭と腹壁の呼吸運動は保たれるが、上気道が閉塞し、口や鼻からの呼吸が停止する無呼吸の型のことをいいます。閉塞型睡眠時無呼吸の病因としては、大きな扁桃や舌根が沈下し、上気道が閉塞し、無呼吸となると考えられます。
閉塞型睡眠時無呼吸には「いびき」を伴います。いびきは無呼吸中には起こりませんが、呼吸が再開する時に大きないびきが見られます。その後数回の呼吸とともにいびきが起きた後、再び無呼吸状態になります。

中枢型:呼吸中枢機能の低下が原因で,呼吸筋の運動が停止する無呼吸の型のことをいいます。
一般に脳幹の呼吸中枢機能の低下が原因といわれています。

睡眠時無呼吸症候群の診断
問診にて次のような項目をお聞きします。 それぞれの場合でどれくらい眠くなるかを点数で評価します。

1:座って読書しているとき                             
2:テレビを見ているとき                          
3:人がたくさんいる場所で座って何もしていないとき(たとえば会議中や映画をみているときなど)       
4:車に乗せてもらっているとき(1時間くらい)                
5:午後横になって休憩しているとき                     
6:座って誰かと話しているとき                       
7:昼食後静かに座っているとき                                              
8:運転中,渋滞や信号待ちでとまっているとき  

これらにより、睡眠時無呼吸症候群 が疑われるときは 睡眠時の呼吸や脈拍の様子をモニターする機械を取り付けて睡眠していただきます。 できれば、3日間程度のデーターがあればどのような形の症状かが解析できます。

睡眠時無呼吸症候群の治療
 睡眠時無呼吸症候群の治療方法にも様々ありますが,

1)CPAP療法
  持続陽圧呼吸療法で緩い圧をかけて呼吸をすることにより閉塞している気道をひろげ呼吸をしやすくする方法です。 特に、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群に有効です。

2) マウスピース
  
歯のかみ合わせを改善して舌の沈下を防ぐ方法です、歯医者さんで作成してもらいます。

3)薬物療法 
  抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤で粘膜の腫れを抑えます。

4)手術
  最後の手段として鼻から喉にかけての気道を広げる手術です。 咽頭形成術といいます。

などがあります。

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