減感作療法

減感作療法について


 ・簡単に言うとハウスダストや花粉に対し抵抗力をつける治療法です.アレルギー反応を示す抗原を毎週少しつ増やしながら注射します.抗原に対する「慣れ」を作る治療法で、これが完成すると,長年悩まされていたアレルギー症状を大幅に改善することができます.

 ・アレルギー性鼻炎は、年々増加の一途をたどり、その有病率は30%に達するとも言われ、大きな社会的問題になっています。 その治療法も数多くありますが、特に薬物療法と抗原特異的免疫療法(減感作療法)はその効果が認められた治療法であります。前者は数多くの種類の薬剤が開発されており、アレルギー性鼻炎の症状を軽くする効果がありますが、根本的な治療ではなく、服用をやめると再び症状が出るという欠点があります。一方、後者は体質を変更させて抗原に対して反応させないという根本的な治療法であり、これが成功すると患者の苦痛、社会的経済的な負担は大幅に軽くすることができます。

 ・治療には毎週,定期的に注射し、効果が出るまで最低6か月くらいかかります。ハウスダストの場合で最高50回程度、スギ花粉の場合で最高42回程度です。ただし、その後、徐々に間隔を延ばし、1年位で月1回の注射で維持するようになります。 都合や体調不良により数回延期されても差し支えありません。また、注射当日、入浴やお仕事も差し支えありません。 

  ・特殊な治療ではなく、大学病院などでは広く行われている治療です。健康保険も適応され、抗原の投与量によって異なりますが3割負担の方でも最大180円程度です。

  ・注射することにより一時的に発熱したり、腫れなど、アレルギー症状がでることがあります.注射後、20ー30分ぐらいは安静にして下さい。ひどいかゆみや、喘息のような症状がでたときはすぐお知らせ下さい。

    ・体調の悪いときや、睡眠不足のときは治療を差し控えます。女性の方で月経1−3日前に注射すると強いアレルギー反応が起こるときがありますのでその時期に当たる方は治療を控えて下さい。  

  ・治療を受けられる方には 次のような「すごろく」のカードをお渡して、注射量の再度の確認とご自分がどの段階におられるのかチェックすることができます。 来院の際にご持参ください。 注射の折りに塗りつぶしてゆきます。


  ・徐々に効果がでてきます。最後までがんばりましょう。また、体質によっては低い濃度で維持になることがあります。

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