ワクチンについて

 


ワクチンとは

ウイルス、細菌などが人間の体内に侵入し増殖することによって起こる病気を「感染症」といいます。 ワクチンとは、人間が本来持っている「病原体に対する抵抗力(免疫力)」を利用して、さまざまな感染症に対する「免疫」をあらかじめ作らせておく製剤のことです。

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●ワクチンの種類
「ワクチン」には大きく分けて「生(なま)ワクチン」と「不活化(ふかつか)ワクチン」、「トキソイド」の3種類があります。

1)生ワクチン
生きているウイルスや細菌の毒性や発病力を弱めてつくったワクチン。ウイルスや細菌が体内で増殖するので、接種後しばらくしてから発熱や発疹など、その病気の症状が軽く出てくることがあります。
生ワクチンは免疫不全者(水痘ワクチンを除く)および妊婦には禁忌となっています。 主なワクチン:麻しん風しん混合(MR)、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、ポリオ、BCG、水痘など
次に違う種類のワクチンを接種する場合は27日以上間隔をあける必要があります。

2)不活化ワクチン
  ホルマリンや紫外線などで処理をし、感染力や毒力をなくした病原体ないしその成分で作ったワクチン。
生ワクチンのように体内で増殖することがないので、1回接種しただけでは必要な免疫を獲得・維持できないため、数回の接種が必要です。
免疫不全者にも接種できますが、十分な免疫を獲得できない場合があります
主なワクチン:日本脳炎、DPT三種混合、インフルエンザなど
次に違う種類のワクチンを接種する場合は6日以上間隔をあける必要があります。

3)トキソイド
細菌のもつ毒素を取り出し、毒性をなくして免疫原性だけを残したもので、不活化ワクチンの一種です。主なワクチン:ジフテリア、破傷風など
次に違う種類のワクチンを接種する場合は6日以上間隔をあける必要があります。

ワクチンを受けるに当たって
よく「薬を飲んでいるときは予防接種はだめですか?」という質問を受けます。 予防接種は体の調子が良いとき、元気なときに受けるのが基本です。 もちろん、高熱や極端に体力の落ちているときはワクチン自体の副作用が出現しやすいのですが、もう一つ大きな理由があります。 
それは、基本的に薬を内服しているような時は自分の免疫力が低下していることが考えられます。 そのときに、ワクチンを打っても肝心の「ワクチンによる免疫」が定着しない可能性がありるのです。混雑する集団接種の会場では問診票でお薬を飲んでいるだけでチェックされるのはこの理由のためなのです。 

●接種時期について
1歳までに終わらせたいワクチン
 BCG、ポリオ、DTP三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)の1期です。
 
1歳になってからのワクチン
 麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)

●定期接種について
感染すると重症化したり、感染力が強く集団感染するおそれがあるため、国の法律(予防接種法と結核予防法)で定められている感染症の予防接種です。

種類:BCGワクチン、ポリオワクチン、DPT三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)ワクチン、DT二種混合(ジフテリア、破傷風)トキソイド、麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチン

費用:国が定める期間内、接種回数であれば公費の負担があります。インフルエンザワクチンの公費負担は65歳以上(心臓、腎臓、呼吸器に重い病気のある方は60歳以上)です。

●任意接種について
受けるか受けないかは個人の判断にまかされている予防接種です。
種類:麻しん(はしか)ワクチン、風しんワクチン、おたふくかぜワクチン、水痘ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、コレラワクチン、狂犬病ワクチン など
費用:基本的には有料です(B型肝炎ワクチンは母子感染予防の場合のみ健康保険が適用になります)。


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