荒城の月
滝廉太郎 作曲
土井晩翠作詞・滝廉太郎作曲の、最も親しまれている愛唱歌です。

滝廉太郎が日本語の韻律やアクセントを殺すことなく、
かつ美しい旋律を伴って作曲されています。
さらにこの曲の美しさは、土井晩翠の格調高い優れた詩にあるといえます
この詞は晩翠が、福島県会津若松市の会津若松城(別名鶴ケ城)を訪れたとき、
戊辰戦争における会津の悲劇をものがたる歌を知り、
それを基に作詞したと言われています。

曲は滝廉太郎が子ども時代を過ごした
大分県の豊後竹田の岡城阯をイメージして作ったそうです。

1901年(明治34)刊の「中学唱歌」の作曲募集に当選したものです。

春高楼(こうろう)の 花の宴
めぐる盃(さかずき) 影さして
千代の松ヶ枝 わけ出でし
むかしの光 今何処(いづこ)
 
秋陣営の 霜の色
鳴き行く雁の 数みせて
植うるつるぎに 照りそひし
昔のひかり いまいづこ

今荒城の 夜半(よは)の月
変らぬ光 誰がためぞ
垣に残るは 唯かづら
松に歌ふは たゞ嵐
 
天上影は かはらねど
栄枯は移る 世の姿
うつさんとてか 今もなほ
ああ荒城の 夜半の月

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