Last modified : 2003.01.30


SL-HF3000(BetaPro3000)
ジャンク品修理(2)

SL-HF3000(BetaPro3000) ジャンク品修理(2)

今回のPro3000の症状はというと、ジャンクで¥8,500で購入しました。しかし結構汚いです。
そして欠品も多いです。

まず、本体ジョグシャトルがありません。それから天板右側のフタもありません。ゴム足が3本足りません。
電源は入り、テープも入りますが、再生できません。

更に、スライドテーブルの右側に何かをこぼしたらしく、汚れています。
それが原因して、スライドテーブルが閉じません。それと、スライドテーブル内右側のボタン6個も機能していません。

今まで手がけたデッキ一覧の中の、部品取り用機にEV-S800(Video8)が入っていましたが、
それを不思議に思った方もいるでしょう。今回、この謎が明かされます(笑)
作業手順 @

よく見たら、電源の裏にへこみがあります。UHFの端子も錆びだらけ、ネジは潰れています。

作業手順 A

まず、スライドテーブル内のボタンシートを取り出します。(SL-HF3000(BetaPro3000)スライドテーブル交換参照)

金色の丸い皿のようなスイッチを保護しているビニールを剥がします。そして、スイッチを取り出します。

同時にスライドテーブルを綺麗に清掃します。

作業手順 B

ご覧のように腐食しているのが何個かあります。

基板側も腐食しています。どうもスイッチが機能していないのはこの為と思われます。

作業手順 C

どちらもヤスリで綺麗に腐食部分を落としました。これで直る筈です。

しかし、どうした事か全く改善されませんでした。
テスターで1本1本リード線から辿って調査しましたが、リード線、コネクタ共に問題なし。

作業手順 D

基板を調査したところ、この6個のボタンとコネクタの間に断線している場所がありました。

表面上は判りませんが、内部で腐食が進んでいたようです。

そこで、樹脂を剥がす事にしました。基板パターンを傷つけないように注意です。

作業手順 E

断線している個所を剥き出しにし、ヤスリます。その後、RMT-423の修理の時、不調だったコンタクトペンを使用する事にしました。

RMT-423の修理時通電しなかったのは、ペンを良く振っていなかった為と思われます。

今回は良く振りましたので、通電はいたしました。今回のような盛り上ると駄目な場所には重宝しますね。後は、元通りにして動作OKでした。

   
作業手順 F

続いては再生不良です。

見ると前回のHF3000と良く似た症状が・・・

4番5番ガイドローラーを固定している部品が折れています。また、ピンチローラーもありません。

これらの部品は、SLO-420の時に部品取りにしたSL-HF77から取る事にしました。

   
作業手順 G

ゴム足はインシュレータ標準装備の機以外、全機種共通のようです。(SL-F7からHi-Band機まで)

ゴム足の取り方です。

ゴム足の裏から、真中の部分を押し上げます。これはゴム足が抜けないようにストッパーの役目をしているものです。

これを外すと、ゴム足は簡単に外せます。

   
作業手順 H

移植する部品達です。

各パーツを組み込み動作テストを実施しました。

最初画面はノイズダラケだったのでこりゃ駄目かな、と思いましたが、
ヘッドクリーニングすることに・・・

するとノイズが消えて綺麗になってくれました。(よっし!)

作業手順 I

さて、ここで、VIDEO8(EV-S800)の登場です。当然ジャンクです。

うちにHi8のEV-S900があります。特殊なトレイローディング方式を採用したこの機と、同じトレイローデング方式なのがEV-S800です。

この部分の部品取り用機にストックしてました。これから本体ジョグシャトル、天板右側のフタを流用いたします。

作業手順 J

ご覧のように、ジョグシャトルは双方全く同じです。

 

同様に、EDV-9000とEV-S900の、ジョグシャトルも同じです。
但し、色が違いますが・・・(^^;)

作業手順 K

ジョグシャトルとフタを取り付けたところ。

ジョグシャトルはバッチりです。なんの違和感もありません。

フタは若干本体と色が違うのと、表面処理が違います。ですから、少し周りより浮きますが、まぁいいでしょう。

HF3000はやっぱりいいデッキです。これで3台目になりました。

今回の修理の内訳です。

デッキ本体 \8,500
EV-S800ジャンクの流用品
 ジョグシャトルダイヤル
 フタ

SL-HF77ジャンクの流用品
 ゴム足 3個
 4番5番ガイドローラー
 Tスライダーギヤー部組
 Tスライダートップモールド部組

修理代 \0
部品代 \0
合計 \8,500
修理時間 約17時間
(部品清掃時間含)  

特記事項 

 

 


Copyright by 小掠 学
ogu_kage@msf.biglobe.ne.jp