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食料の安全性確保と安定生産を目指す
新しい農業の未来を追求する

調査研究

(1)実証展示

活動報告写真

 農薬や化学肥料を使わない持続可能な農業の普及に向け、実証展示の栽培に取り組んでいます。
 土づくりは物理性や化学性、生物性の改善のため、緑肥や作物等を利用しています。緑肥はソルゴーやヒマワリ、作物はコムギやダイズを取り入れ、土を耕すと同時に根圏微生物(土壌微生物)を増やし、他の作物の生育を促進しています。
 また作物によっては、草を利用した有機物供給や根圏微生物増加等による、物理性や化学性、生物性の改善を目指す草生栽培にも取り組み、生物の多様化を促進することで病害虫を抑えた栽培の展示にも取り組んでいます。


緑肥の活用

 イネ科のソルゴーは有機物供給の他、根を地中深くまで伸ばし土を耕します。また地中にある養分を地上に還元する働きも行います。養分の吸収量が多いため、養分過剰な土壌で栽培し、持ち出すことで養分を減らすクリーニングクロップの役割も果たします。
 緑肥ヒマワリは景観作物としての利用や有機物供給の他、リン酸吸収を助けるVA菌根菌と非常によく共生するため、後作のリン酸吸収が高まります。



作物の活用

 コムギは根を地中深くまで伸ばし土を耕します。ダイズは根に窒素固定菌(根粒菌)がつき、空気中から窒素を土壌に取り込むため地力が上がります。根粒菌は堆肥等を施用して栽培すると数が少なくなるので、使わずに栽培しています。作物は緑肥ほど有機物供給量は少ないと思われますが、収穫物を利用することができるため、上手く組み合わせて栽培しています。栽培は秋から春にかけて行います。



草の活用

 草は土壌の状態によって生える種類が変わるため土づくりの判断材料になります。また有機物供給や根による物理性の改善、根圏微生物等による生物性、化学性の改善が期待できます。
 根圏微生物の数は非根圏域の30倍とも言われていますが、根圏域の厚さは根から1mm前後しかないため、作物だけでなく草を生やすことでより多くの微生物が増えると考えています。



 作物と草を一緒に栽培することで生物相が豊かになり、病害虫が発生しても拡がりにくい環境となります。草は害虫の天敵となる虫の棲みかや害虫のエサにもなります。
 土壌微生物が増えることで病原菌がいても発病しにくくなる発病抑止型土壌となります。病原菌や害虫を全滅させるのではなく、収益に影響のない範囲で共存する考え方が持続可能な農業を可能にすると考えます。(右下写真のCは慣行農法、Nは有機農法)



 根伸びの良い団粒構造の土壌は微生物によって作られます。微生物を増やすため土壌の状態に合わせ堆肥や緑肥、作物、草の活用を行います。また作物は肥料を少なく施用すると、土壌中の養分を吸収しようと根を長く深く伸ばすため、体力がつき環境の変化に強くなります。下の写真は団粒構造(左)とイチゴの根「チッソ0.5g/株」(写真左)と「チッソ1.4g/株」(写真右)の根張りの違い。「現代農業平成20年3月号」より。



(2)受け入れ

 平常時の農業見学者の受け入れの他、4月下旬の農場公開日(農業まつり)では、収穫体験のできる作物を栽培し、持続可能な農業の実証展示の公開を行っています。




(3)育種

 育種は昔から行われ、その土地に合った品種が作られてきました。味が良くても病害虫に弱い個体は生き残れなかったため、環境の変化や病害虫に強い個体の選抜が優先されていました。しかし、農薬や化学肥料の登場により、個体が病害虫に弱くても収量が高くて美味しい品種を残すことが出来るようになりました。
 持続可能な農業ではそのような品種の栽培が難しく、適した種の育成が求められています。単純に昔の品種を使うのではなく、現在の品種のように美味しくて環境の変化や病害虫に強い品種の育成を目指しています。



 そのため栽培期間中は堆肥や肥料等は一切用いず、土壌にある栄養を自ら獲得して育つ系統の選抜に努めています。農場ではそのように育成し、選抜が終了したサツマイモ(ベニオトメ×ベニアズマの系統、コガネセンガン×ベニオトメの系統)の維持を行っています。
 また水稲は現在、4系統の育成を行っており、個体選抜のため全て1本植えで栽培・選抜を行っています。今後は収量や食味調査等を行い、優れた品種の育成を目指します。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~ogimi-farm/research.html


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