指導にあたり考えていること
大蔵では、高学年になると学生コーチが指導します。しかし、4年生に関しては、担当している「お父さんコーチ」が2名ともサッカー経験者であることから、そのままお父さんコーチが持ち上がりで指導しています。 この学年に関しては、4年生になった今も、キックの練習をします。サッカーの基本は、キック、トラップ、ドリブルです。戦術的な指導に時間を割こうとすると、ついキックやトラップの練習がおろそかになりがちですが、極力基本練習はやろうと考えています。(最近、ボールをきちんと蹴れない子供が多すぎると思いませんか?) |
基本技術を踏まえた上で、次のようなサッカーをやりたいと考えています。 @プレーヤー全員が、その場面で一番良いプレーは何かを考え、そのプレーをやろうと努力する A「勇気」と「責任感」を持ってプレーをする B意図を持ったプレーをする |
多分、我々が彼らにかかわる小学生の間に、全員ができるようになるとは思いません。しかし、一部の選手はその域に達するでしょうし、そうでない選手も、いずれはそのレベルに達して欲しいと思います。そのためには、すべての選手が、高いレベルに意識を持って練習したほうが良いと思っています。自分のサッカー人生を振り返っても、技術は高校、大学でも少しずつ向上したと思います。しかし、プレーのリズム感やプレーのイメージの持ち方、プレースタイルの根っこのようなものは、小学校、中学校までに培われたように思います。プレーのリズム感やイメージの持ち方は、「生まれ持ったセンス」ということばで片付けられてしまいますが私はそうは思いません。小さいころから、意識を高く持ってサッカーに取り組めば「センス」(?)も磨くことができると思います。 そのため、ドリブルやパス回しでも、低学年のうちから、リズム感を意識させるようにと指導してきました。また、トラップ1つにしても、次のプレーを意識してトラップするよう指導します。2タッチでショートパスを出したければ、効き足の30センチほど前方に置くようにトラップし、2タッチでロングパスをしたければ、効き足の1mほど前に流すようにトラップするように教えます。相手の右を抜きたければ(右効きなら普通はそうしたいはず)相手の右足(こちらから見て左)にしかけるように指導します。これらのことは、センスがある子は教えなくても、無意識にやっていることです。しかし、ふつうの子供はそうはいきません。それでも、教えてあげればできるし、意識しながら繰り返していれば、いずれ無意識にできるようになります。このようにちょっとしたことが、無意識のうちにできるようになれば、プレーに余裕が生まれ、ドリブルで相手を抜くことができるようになり自信がつきます。その、余裕や自信がそのプレーヤーなりの判断や意図をもったプレーを生みだすと考えます。 子供のうちから意識を高く持ってプレーすることにより、「生まれ持ったセンス」がない子でも、センスのある子に近いプレーができるようになるのではないかと期待しています。 |