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「山行報告」 @ウミンチュ 今回はハワイ島にある山、マウナ・ロア山(4,169m)に登ってきました。 当初の予定では、マウナ・ケア山(4,206m)も同時に登ってくる予定だったのですが、こちらは時間切れで断念しました。 <今回のスケジュール> ・AM2:00起床。準備を済ませて、AM3:30にカイルアコナの宿を出発しました。 ・AM6:30登山口(マウナ・ロア気象観測所)到着。カイルアコナの町から、マウナ・ロア登山口(標高約3,400m)までは約130kmくらいあります。レンタカーで約3時間の行程でした。 ・AM7:00登山開始。登山口で朝食(前日にスーパーで購入したサンドイッチ)を済ませる。夜明け直後は凍えるほど寒かったけれども、日が高くなるにつれ、徐々に気温も上昇してきました。AM10時頃には、Tシャツでの登山となりました。 ・AM11:30クレーターリム到着。ここまでで登山口からの標高差は、約600mです。だらだらとした緩やかな登りが延々と続くルートでした。景色は見渡す限り、溶岩の凝固したでこぼこの地形でとても殺風景でした。 ・PM2:00山頂到着。クレーターリムから山頂までも、だらだらとした味気ない登りが延々と続きました。山頂で30 分程度休憩。火口の景色は雄大でした。 ・PM6:00登山口到着。ひたすらに下山しました。下山時は休憩をほとんどとらなかったので、3時間半程度で下ることができました。しかし、下山したときは、もうすでに予定時間を大幅に過ぎた夕暮れ時でした。サドルロードを隔てて、反対側には今回登頂できなかったマウナ・ケアが夕焼けに赤く輝いていました。 <反省と感想> 今回マウナ・ケアに登れなかった理由としては、高山病が大きいと思います。もし1日でマウナ・ロアとマウナ・ケアの両方を登るのであれば、もう少し早く出発するか、もしくは体調を整えて高山病にならないようにして、歩くペースを上げなければいけなかったのではないでしょうか。強行日程が悔やまれます・・。 それともし時間に余裕があればマウナ・ロアの火口を一周するのも悪くないと思います。1泊2日くらいの日程でできると思います。テントでも張れば、夜は感動的な星空が待っているのではないでしょうか。 「体験記」寄稿:@屈辱ポンチ ハワイイ島は、火山の島である。南東のキラウエアは現在も活動を続けている活火山だ。今回、挑戦するマウナ・ロアは4,169メートルの標高をもっており、海底からの高さで言えば、10,000メートル近くにもなる事実上(?)の世界一高い山でもあるが、下界から眺めると、大きな丘にしか見えない。粘りけの少ないさらさらとした溶岩がゆっくりと流れたことによって、このようななだらかな曲線を描いているらしい。 小学生の頃、富士山に登り、見事に高山病にかかった。子供だけに、はしゃぎすぎて走って急激に登ったせいであろう。マウナ・ロアの登山道入り口は3,400メートル。この地点ですでにかなり高い。気温は100メートル上がるごとに0.6度下がるそうな。ということは、この地点ですでに、地上から20度くらい低い。しかも夜が明けたばかりだ。かなり寒い。 今回、特別に用意した「できるパンツ」(筋肉や関節の負担を減らすロングスパッツ)を履き込む。さらに高山病対策に「フリーズドライ」(鼻頭に貼り付けて鼻腔を広げ、酸素摂取量を増やす)を装着し登り出す。 登山道と言える道はなく、10メートルおきぐらいにあるケルンを目印に登って行く。溶岩道も4,5種類ぐらいヴァリエーションはあるが、似たような風景が延々と続く。水も頻繁に飲み、意識して大きく呼吸をするようゆっくり登ったつもりであったが、3,800メートル付近でやはり高山病の症状がでてきた。始めに軽く頭が疼きだし、だんだん気持ちも悪くなってきた。@海人に励まされながら、なんとか山頂を囲むクレーター(火口)部分までたどり着く。しかし、ここから本当の山頂までは標高差で約200メートル、距離にしてまだ2.5マイルくらい歩かなければならない。前日ハワイイ入りのための時差ぼけも加わり、意識もぼ〜っとしてくる。寒いしゲロも本当に吐きそうだ。延々と続く凸凹の溶岩道は足元もおぼつかず膝も痛い。所々にある標識に示されている山頂までの距離は中々減らない。山頂まで残り2マイルの標識を過ぎる。高山病の症状に加え、帰りの体力、3日後に控えたマラソンのことを朦朧とした意識で考慮して、もうギブアップだ・・。 @海人よ、さようなら・・。ワタシ、小生、拙者、ミーザンスは引き返すでござるよ。 下りは下りで大変だった。正面に隣山のマウナ・ケア山頂の天体観測所群(日本のすばる望遠鏡もここにある)を眺めながら下る。高山病の症状を少しでも軽くしようと急いで下ると、膝がガクガク笑い出す。眠気に襲われ、倒れそうになる。一人での休憩。溶岩に囲まれた世界は、生物はもちろん草木もない(途中ハエがいた。どうやって生きているのだろう?)。風が止むと全くの静寂に包まれる。聞こえるのは自分の息遣いだけだ。なんか悟りが開けそうだ。ゲロ吐きそうだけど・・。 なんとか登山道入り口の観測所まで戻ってこれた。もう安全、と緊張が緩んだか、ここにきてもどしてしまった。火山の女神ペレ様、ごめんなさい。車の中で一眠りして起きると、もう日が沈み始めている。@海人が帰ってこない。何かあったのか?ヘッドランプがあるとはいえ、暗くなったらとてもじゃないが、あの溶岩道は歩けない。気をもんでいると、地平線からにじみ出ているオレンジ色をバックに、人影が歩いてくる。おお!@海人だ。お帰り!@海人よ!!彼がこんなに待ち遠しくもあり、頼もしくも見えたことはなかったよ。登頂おめでとう! 恐らくは2回目はないであろうマウナ・ロア登山。山頂到達はならなかったが、とにもかくにもワタシにとっては、人生最高点到達の記念すべき登山であった。 追記:"できるストック"を貸していただきました@中国緑茶さん、有難うございました。 注1)この体験記の中では「ハワイ」を「ハワイイ」と記しています。これは「ハワイ」の英語表記が「Hawaii」であり、「ハワイイ」の方が現地の表現でも正しいのだ、という執筆者の雑学?(なにかの本で読んだらしい)によるものです。 注2)上記の報告は事実に基づいておりますが、一部大げさな表現等が含まれております。悪しからず。 |
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写真1(空港付近から眺めたマウナ・ロア) 写真中央の、のっぺりした丘のような山がマウナ・ロア(4,169m)です。マウナ・ロアとは「長い山」という意味だそうです。 下から眺めると、確かに長い山で、標高の高い山にはとても見えません。 しかも、なだらかなので、かなり高い地点(3,400m付近)まで、車でのアクセスが可能です。 ちなみにマウナ・ケア(4,206m)は頂上直下の4,000m以上の地点まで、車でアクセスできるようです。 |
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写真2(マウナ・ロア気象観測所とレンタカー) 標高約3,400mのところにあるマウナ・ロア気象観測所です。ここがマウナ・ロアの登山口になります。 このルート以外にも海側の標高の低い場所から数日間かけて登るルートもあるそうです。 また、この登山口までの道路(サドルロード)はレンタカー会社によっては、保険適用外になるそうです。今回、我々が車を借りた「Harper社」は、ハワイ島では唯一島全域を保険対象としているレンタカー会社です。 サドルロードは、評判ほど悪路ではありませんでしたが、車の運転に自信のない方は「Harper社」で車を借りることをお薦めします。少々割高ですが・・。 |
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写真3(登山口にある標識) 地図とか注意事項が記されています。 マウナ・ロア登山については、事前にHPや雑誌などである程度の情報を集めていましたが、ここで見た地図が一番細かくてわかりやすかったです。 海外登山の場合、日本のように詳細でわかりやすい地図が少なくて困ります。というよりも日本の地図が過保護すぎるのかも・・。 |
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写真4(マウナ・ロア登山道:登山口からクレーターリムまで) 草木がまったくない、なんとも寂しいルートでした。 溶岩の凝固したでこぼこの山肌には、道らしい道もなく、ケルンだけを目印に登っていきます。 午前中は無風のため音もなく、自分の息づかい以外は、まったくの静寂の世界でした。 |
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写真5(マウナ・ロア登山道:クレーターリムから山頂) 登山口からクレーターリムまでのルートと比べ、岩が多くなってきました。 しかし、景色は相変わらず殺風景でした。 クレーターリムから上は風が出てきたため、少々肌寒くなってきました。Tシャツでは寒いのでフリースとゴアテックスのジャケットを着込んで登りました。 |
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写真6(マウナ・ロア山頂 4,169m) クレーターリムから頂上までは、だらだらとした緩やかな登りが延々と続き、なかなか頂上までたどり着けませんでした。 ようやくたどり着いた山頂には、特に標識などの目印らしいものはありませんでした。 とりあえず、ケルンの終点だったことと、周りにここよりも高そうな場所がなかったこと、それに三角点があったので、ここが頂上だと納得して下山しました。 |
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写真7(マウナ・ロアの火口 その1) 頂上から眺めたマウナ・ロアの火口です。 あまりにも大きな火口で一見、渓谷のようにも見えます。 水面のように見える部分は凝固した溶岩です。しかし、登山道の凝固した堅い溶岩とは少々異なり、遠目に眺めるとひび割れた泥のような感じに見えました。 |
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写真8(マウナ・ロアの火口 その2) 上記写真と同じく、頂上から眺めたマウナ・ロアの火口です。 まるで湖のようです。 |
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写真9(夕焼けに染まる雲上のマウナ・ケア) 下山途中の景色です。マウナ・ロア登山は、背後にマウナ・ケアを望みながらの登山でした。 この日は朝からずっとマウナ・ケアを眺めどおしでしたが、夕刻のこの時間が一番きれいでした。 日の入りが近づくにつれ雲が沸きだし、マウナ・ケアは海に浮かぶ島さながらの様相になり、赤く染まってゆきました。 |
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