福島県川口浄化センターの通水式がおこなわれる 2014.01.10
  平成25年8月5日に、金山町の川口浄化センターで通水式が行われました。
 この処理場は福島県の代行事業で行われたもので、日最大汚水量が80m3/日の規模で、国土交通省の補助事業で実施された土壌浄化法としては、2番目に小さな規模となっています。平成14年に金山町では、いくつかの集落を集めて処理をする800m3/日の規模の下水道計画を策定していましたが、集落が点在している関係で、管渠の事業費が高くつき、途中小型合併浄化槽による整備に変更をされた事もありました。
 しかし、JR川口駅の駅周辺は、住宅や事業所が密集した地域で、又、急峻な地形のために、それぞれの住宅の敷地内に合併浄化槽を設置できる空間がなく、住民の強い要望によって、川口処理区を対象とした小規模下水道にして、県代行事業として実施されるという極めて珍しい形で事業が進められています。
 通常のような下水処理場の用地の確保が困難で、JR川口駅の電車の回転台横の狭い空間を、用地としてJRから購入しています。住民の同意を得るために、浄化センターのすぐそばに議長の住宅があり、議長が率先して「土壌浄化法は二次公害の発生が無く、公園のような処理場となる」という事を説得され、地域の方々を会津坂下町の下水道フェスティバルの日にご案内されたり、住民が一丸となって今回の通水式を迎えています。従って、通常の通水式とは異なり、地域の方々や工事関係者のご支援を得て、屋台が出され、串焼きや飲み物やドーナツが振舞われて、地域で名物となっているトマトも配られていました。私も東京からお菓子を持って出席いたしました。
 金山町の長谷川町長の挨拶をはじめ、来賓の方々のお祝いの言葉があり、通水のスイッチオンや祝砲が打ち上げられて、とても和やかな式となっていました。
 金山町のように、住宅が密集している区域を一つの処理区とする下水道計画であれば、財政が厳しい自治体でも下水道は実施する事ができます。
 今回の金山町の通水式を迎え、下水道事業は、社会資本整備事業として具体化する事が必要で、小型合併浄化槽による整備と比較するものではないと強く感じたところです。金山町の議長は、土壌浄化法に高い関心を持たれていますので、韓国で実施している沈殿分離槽+ニイミトレンチの組み合わせも現地を見学し、省エネルギーの処理技術という実感を持たれています。
 国土交通省の補助事業で、この処理方式が集水型にして処理水質が確認できるような構造にすれば、採択される時代になった事を大変喜んでおられました。
 この処理方式のモデル施設が、金山町から要望が上がるようになれば良いと思ったところです。