与党PTのチッソ分社化容認に対する抗議声明
報道によれば、水俣病問題与党プロジェクトチーム(園田博之座長、与党PT)は、昨日、半年ぶりに会合を開き、チッソの分社化を容認するかのような結論を出したとのことである。
与党PT案の受け入れを拒否しているチッソに与党PT案の受け入れを促すねらいと思われるが、患者救済より加害企業の利益を優先させるものであり、決して許されるものではない。
チッソは、水俣病被害者に対して最後の一人まで補償すべき責任を負っており、補償完遂のため莫大な公的支援を受けてきた加害企業が、分社化による責任逃れをすることは絶対に許されない。
与党PTは、すべての水俣病被害者を救済すべき立場にありながら、3分の2もの患者を切り捨てる案を被害者らに示している。
一方で患者切り捨ての案を提示しながら、他方で加害企業を免責するような与党PTの態度は、国民的批判を免れないところである。
不知火患者会はノーモア・ミナマタ訴訟で1543名の原告が、水俣病被害者互助会は9名の原告が、熊本地方裁判所で、国・県・チッソの責任を前提にした司法救済制度の確立を求めて闘っている。
今日で高岡滋医師に対する原告側の主尋問が終了し、来年4月には被告側の反対尋問も終了し、来年秋には結審する見込みである。
私たちは、すべての水俣病被害者が救済される制度を早期に確立するべく、引き続き訴訟の場で堂々とたたかいを展開していくものである。
2008年12月19日
水俣病不知火患者会
ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟弁護団
水俣病被害者互助会