声ノーモア・ミナマタ訴訟弁護団

声   明

  本日,152名の水俣病患者がノーモア・ミナマタ国賠訴訟第5陣として熊本地方裁判所に提訴しました。この提訴で,ついに被害者原告総数が1000名を超えました。今後も増える見通しです。

 膨大な数の水俣病被害者が裁判所に救済を求めているこの現状は,行政がいかに水俣病問題の解決に対して無為無策であるかを示すものです。

 すなわち,平成16年の最高裁判決は,チッソのみならず国及び熊本県の責任を断罪するとともに,国の水俣病認定基準を否定しました。にもかかわらず環境省が認定基準を変更しなかったため,認定審査会が構成できず,行政認定制度は画に描いた餅と化しています。

 また,国は新保健手帳なる福祉政策で幕引きを図ろうとしていますが,この目論見は完全に破綻しています。

 もはや,破綻した行政認定制度を改善する見通しも立てず,表面だけの福祉政策で責任を回避しようとする行政に対して,水俣病問題の終局的な解決を期待することはできないと考えます。

 水俣病被害者が正当な補償を勝ち取れる場は,司法の場以外にはありません。

 我々は,本訴訟において,裁判所が確定判決に基づく基準により水俣病患者の範囲及び補償内容を定め次々に救済する制度,すなわち「司法救済制度」を提案し,その早期確立を目指す決意です。

 本年は,水俣病公式確認より50年目に当ります。この機に,行政は,加害責任を深く自覚し,司法救済制度を真摯に検討すべきです。特に,環境省は,その設置目的を踏まえ,水俣病被害者と対立する姿勢を直ちに改めるべきことを,我々は強く要望するものです。

                            2006年4月17日                              
                  ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟原告団 

ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟弁護団