▲Eメール歌仙「四方の春」の巻 平成10年5月1日満尾
初表
1  発句(長句)春      四方の春WWW(ウェブ)の写真も薄化粧  勇魚
2  脇句(短句)春      すまし顔して食ぶ草餅                   槐
3  第三(長句)春      岩燕舞ひて車の音もなし        白雨
4  四句(短句)雑      見上ぐる空を飛行船ゆく               野村
5  五句 (長句)秋・月  体力を験すは月のどのあたり      黒旋風
6  折端(短句)秋      髪ふりみだす穂すすきのギグ           大辻
初裏
7  初句(長句)秋      若き日の無茶を肴に温め酒       蜆汁
8  二句(短句)雑・恋  真珠をひとつ杯に忍ばせ               風子
9  三句(長句)雑・恋  片ピアス胎児のごとく触れてみよ     究太朗
10  四句(短句)夏      近づいて来ぬ雷(らい)のゆくさき       零
11  五句 (長句)夏      つぼみ抱く腕いつぱいのアマリリス     純子
12  六句 (短句)雑      ブルドーザーの中で眠れば           まもん
13  七句(長句)冬・月  月球儀おく底冷えの教室に             月彦
14  八句(短句)冬      煮凍り掬ふ匙の白銀                     燦
15  九句(長句)雑      猫を釣るとんち勝負の罰ゲーム         睦  
16  十句 (短句)雑      まひるの床に爪を剪りつつ           カツノ
17  十一句 (長)春・花  逆立ちてナスカの空に花吹雪             槐
18  十二句(短)春      南半球すべて春なり          白雨
名残表
19  初句(長句)春   行脚する釈尊のへに甘茶くむ        ちえこ
20  二句(短句)雑   こころは伽羅と古りし女房          黒旋風
21  三句(長句)雑   濃紺の伊万里の皿の縁欠けて        大辻
22  四句(短句)雑   北辰ゆらり動き出す夜             蜆汁
23  五句 (長句)雑    手箱から書きかけの文取り出し         風子
24  六句 (短句)冬     エロ小説家人参を噛む               究太郎
25  七句(長句)冬     アパートの裏に枇杷咲く雨もよひ       零
26  八句(短句)冬      出窓のすみに日光写真                 純子
27  九句(長句)雑・恋 一年の放浪終へしひとと寝る      まもん
28  十句 (短句)雑・恋 ダブルベッドも粗大ゴミなる        月彦
29  十一句 (長)秋・月 月天心捨てられしものすべて麗し      燦
30  十二句(短)秋   ほほずきの実をつぶすいもうと       睦
名残裏
31  初句(長句)秋   伊那志許米志許米岐穢き国の穂を     カツノ
32  二句(短句)雑   欠けし器にあふれさせむと            槐
33  三句(長句)雑   気にするな宇宙にだつて果てがある   白雨
34  四句(短句)春     かぎりもあらぬくさめくっさめ    ちえこ
35  五句 (長句)春・花 修験者の大音声に花吹雪          黒旋風
36  挙句 (短句)春   若駒の耳振りて出立(しゅつたつ)   大辻