歌仙入門
2003/01/23(Thu)--2003/05/23(Thu)
歌仙 『都市の薄暮』の巻

◇ KASEN MEMBER ◇
山本 栄子 谷口 龍人 青木 和子 山野とも子 山科 真白




初折の表
発句 ひとしきり雪舞ひ都市の薄暮かな
ビルのあはひを急ぐ外套 真白
第三 二上がりの音の乱れをそのままに 栄子
ひものはいづちに目を落とし来し 和子
ブルースを聴くはだれ野に月上る とも子
折端 子猫銜へてシロネコが行く
初折の裏
折立 をみな子のこつそりまはす春日傘 真白
丹念に塗る銀のマニキュア 栄子
閉山の坑夫長屋の軒低し 和子
卯の花咲きて小庭明るむ とも子
郭公の声澄みわたる午後三時
ボーンチャイナに描く俤 真白
衝立に隠れてお夏は契りしや 栄子
鹿の子絞りの袖巻き干して 和子
秋の風真昼の森を吹き渡り とも子
羽根をすぼめて飛ぶ赤蜻蛉
十一 川の面に遊びし神が拾ふ月 真白
折端 塩瀬の帯をきりりと結び 栄子



                     
名残の表
折立 幕おりて紙の吹雪を掃きに出る 和子
一ついいこと冬うららなり とも子
遠来の友あり友と熱い酒
襟裳岬で消えるドラゴン 真白
ささやかな夢も描いて花のもと 栄子
柳にまかせ兵となりける 和子
幕末の九谷の酒器に雀の子 とも子
翔べぬはずだが翔んだと聞いた
少年は中也の椅子で微睡みて 真白
塔の下までスキップしつつ 栄子
十一 牛がなく干支の絵文字の野良時計 和子
折端 トマトソースにパセリ添えたり とも子
名残の裏
折立 はつなつの山にいのちが満ち溢れ
赤子のやうに抱く竪琴 真白
とつとつとおとぎ話を読み聞かす 栄子
踊りの下駄のなべてあたらし 和子
手花火をかざす向かうに母の顔 とも子
挙句 につこり笑ふ秋の七草



□ 捌 歌人 西王燦 □

return to toppage