す べ て 恋 句


  連句   木の下闇の巻 (胡蝶)




発句 風過ぐる木の下闇に逢はむとぞ 圀臣
素敵よ素敵白い夏帽 栄子
第三 手を出せば虜になると思ひつつ 龍人
人差し指が今も濡れをり 初枝
月中天松の葉越しにかいまみられて 和子
今宵のためにともす鬼灯 久仁子


胸の奥おくの奥まで大花野 美保
シーツ敷きのぶ恋の衣を
初雪が素肌のうへで溶かされて 真白
ダメと言ひつつ埋火の熱 とも子
十一 耳底にあなたの声を溜めておく 栄子
十二 花蘂に残るあつきおもひも 圀臣
十三 春雨に打たれて昨夜(きぞ)の記憶消す 初枝
十四 乳房に残るマークおぼろに 龍人
十五 カーテンを開けたまんまよロクデナシ 久仁子
十六 一夜のためのスイートルーム 和子
十七 モーニングコール裸で夏の月
十八 庭にあなたの青き朝顔 美保


十九 逢瀬待つ蛍のわれは身を焦がし とも子
二十 ゆうらりとゆく君のほとりに 真白
二十一 汝が肌の帝王切開手術痕 圀臣
二十二 都踊りに手に手取り合ひ 栄子
二十三 抱擁の余韻がのこる花の宵 龍人
挙句 テムズ華やぐ恋の囀り 初枝



 挙句はロンドンから届きました 

捌 : 山科 真白  総監修 : 西王 燦




連衆 :西王燦 橘圀臣 山本栄子 谷口龍人 青木和子 山野とも子 荒木美保 平居久仁子 藤田初枝 山科真白




2005年6月30日-8月16日  PRIVATE BBS 於


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