獅子「紅梅や」の巻 2001/3/5〜3/21
発句 紅梅や時に想ひの猛々し 蜆汁
脇 泥をはねあげない歩き方 龍閑橋
投句 3/7 窓に迎へるあたたかき風 火星
化身となりてわたる春雷 翻車魚
ふらここを漕ぐスカートの子等 酒黄
今年は誰がつくる草餅 迷鳥子
朧をよぎる回送電車 詠人
遠足の列のびてちぢんで 鴨汁
ぬるき水もて眼をすすぐ朝 睦
お水取りまでじっとしている 杏紗里
サッカー場に東風吹き抜けて 月狼
仔馬の首をのぼる音階 黄亭
しゃぼんだまより生れる虹橋 みのり
黄砂吹き止む静かなる空 白雨
鬼女を潜ます春の暗闇 大鳩
やさしく砕く名残りの雪夜 衣月子
氷の鏡をどこでなくした 九尾
受胎告知の日付が始め 瓦斯
仔猫みゃうみゃうありく裏庭 亮
山のまねして笑って見せて 緑峰
春の雪ふる遠い食卓 睡蓮
春のあらしに吹かれて遍路 うさぎ
オンザロックで飲む雪消水 媚庵
春のルージュが春と囁く 紅玉
うそ鳴く里のひくきもの腰 黒旋風
あっちこっちと泳ぎたる蝌蚪 友眠
ベルボーイ立つ風光る午後 清明
空もないのに鳥雲に入る 鈴
春の波濤をゑがく朝食 甘藍舎
うそ鳴く里のひくきもの腰 黒旋風
第三 春色の袱紗を畳む茶室にて 大鳩
投句 3/8 逃げ水がおいでおいでとからかつて うさぎ
繋ぐ手を辛夷散るかに別れしに 九尾
貝寄風に揺らがぬ人の静けさに 衣月子
白魚を呑みたるゆふべ見る夢に 瓦斯
朧夜は四つの風の帽子にて 龍閑橋
肩先を緑に染める菖蒲湯に みのり
娘らも都踊に加わって 緑峰
聡明な子らには種痘の跡もなし 白雨
石鹸玉ビルの谷間に生るるらん 酒黄
ふらここは風に押されてひとりでに 友眠
日うらうら羽織の手入れ念入りに 紅玉
空色に春の衣を染め上げて 杏紗里
夕がすみ港の灯(ともし)なびくらん 火星
春の昼ぽるとがる語に唄ふらん 迷鳥子
ふらここに兄弟姉妹みな乗りて 媚庵
春闇を見て来たる目をやすませて 桐子
春暁に五色の雲のたなびいて 翻車魚
花冷えの往来でつと手を振りて 詠人
飾りたる雛菓子の色とりどりに 涼二
ねえさまのスカーフ蝶に変わるらん 黄亭
春日傘影がこころを創る日に 邦彦
アスパラのならびはじめた市場にて 鈴
流氷を記憶の糸で綴じつけて 月狼
春日傘おいおい雲にかわるらん 睦
春休みの校舎に笛が残されて 甘藍舎
第三 ねえさまのスカーフ蝶に変わるらん 黄亭
4句 ファーブル先生浮き足立てば 九尾
投句 3/9 サンドイッチは斜め切りして 大鳩
ナナバナナバと逆に読みをり 白雨
ミルク色した湯ぶね口まで 衣月子
夜の底から何か出てくる 迷鳥子
砂時計から砂糖さらさら みのり
光りの粉を空に撒きつつ 亮
仮面ライダーごっこで遊ぶ 緑峰
もつれた糸をゆるりほどきつ 火星
日がな一日プチプチつぶす 鈴
「エースをねらえ!」を何度も読めり 杏紗里
歯をみがいたり鼻をかんだり 涼二
マギー司郎が箱を開けば 翻車魚
サーカスのジンタかすかに聞こゆ うさぎ
カラーコピーを100枚とって 黄亭
古本巡り足のむくまま 友眠
指にまきつけオーロラおくれ 喇賦
昔話をきれいにたたむ 酒黄
両腕で朝の扉をひらく 桐子
はよう縁側にあがりゃんせ 詠人
いざ首都高の出口をふさぐ 鴨汁
群青色の栞をはさみ 睦
バス停に首ながくして待つ 清明
揺れながら遠ざかる船あり 甘藍舎
4句 ナナバナナバと逆に読みをり 白雨
5句 味噌汁の雲の中にも白き夢 みのり
投句3/10 切り札がじつとりしめり手のうちに うさぎ
対偶を求めよと言われても困る 緑峰
玉突きの台に転がす金平糖 大鳩
弥次郎兵衛でかく揺れても倒れない 友眠
自動巻き時計が新しかった頃 杏紗里
水源はまだ遠けれど塩むすび 迷鳥子
道すがら連れ合ふ小石さまざまに 火星
「沈黙の声」にふと顔あげる鬼 喇賦
豆腐売る喇叭を吹いて山猫が 翻車魚
本塁打ばかりも打っていられない 鈴
旅鞄つねに文庫をしのばせて 詠人
涸れ井戸の底へ小石の落ちるまで 清明
引っ越しの車が止まる坂の上 睦
おめ「れ」とうだと思ってたおさない日 亮
お手紙はきょうのひぐれに着きました 黄亭
思うまま障子を破るみどりごが 涼二
計算の苦手な八百屋店主はちまき 酒黄
庭先でひかりを聴いてゐる土曜 甘藍舎
5句 引っ越しの車が止まる坂の上 睦
6句 裸足の爪に擬宝珠の花 竹緒
投句3/11 みんみん蝉をとってもらった 緑峰
対のゆかたで夜のお散歩 うさぎ
好きと言っても夏の果まで 衣月子
めざとい吾娘のけはひ気になる 黒旋風
若い番号からと呼ばるる 迷鳥子
鍵が触れ合ふ風鈴の如 大鳩
寝言にまじる蟾の念仏 みのり
返しそびれた文庫本手に 杏紗里
告げてはならぬ恋ほたる狩り 清明
振り返れども見えぬ姿は 涼二
よろい窓を閉切る 白夜 喇賦
渾身の汗ないまぜにして 紅玉
夕立に似た再会でした 睦
洗い髪から梔子の香が 和夏子
足の先から来る青嵐 翻車魚
犬の散歩で偶然に会う 酒黄
虹の切手を貼ってださうか 火星
ライターの火を消す南風 詠人
あっちばかりを見てる雛罌粟 鈴
駆けてくるのは白いくるぶし 黄亭
たまやかぎやと屋形船から 友眠
6句 虹の切手を貼ってださうか 火星
7句 避暑地まで来てしまふ夢今日も見て 媚庵
投句3/12 風が死す携帯も死すメール来ず 白雨
夏虫の灯りをさげて会いに行く 杏紗里
少年は樹液の饐えた甘い香を 瓦斯
寝ねらえぬ闇の色さへ夏めきて 迷鳥子
扇風機だけが見てます脱ぎました 大鳩
夏風邪をうつして白桃かじらせる 九尾
夢かわす夕焼がきえないうちに 喇賦
日焼けした肌に激しく嫉妬して 酒黄
逢瀬の瞳をサングラスにかくし 火星
麦藁の影くつきりと夢のあと 睦
逢える日は白い靴でと決めている 涼二
風の死す海辺の宿に死んだふり うさぎ
およぐ目を麦藁帽でつかまえて 翻車魚
ものいわず線香花火の火をわけて 詠人
道ならぬ恋で香水要りません 紅玉
夏草にくるぶしのへんいじられて 鈴
あさがおのつぼみほどけて打ち明ける 清明
くちびるの先に杏のジャムのせて 黄亭
向日葵になって欲しいと言ったから みのり
7句 道ならぬ恋で香水要りません 紅玉
8句 鬼灯市に手をつなぎゆく うさぎ
投句3/13 <海からあがるヴィーナス>みだら 瓦斯
交互に浮き輪をふくらます 九尾
君の胸乳に点す蛍火 大鳩
茉莉花の刈るほどに繁くて 迷鳥子
君と爆走しよう短夜 亮
破れ傘とふ草を指さす 白雨
さんざん焦がれ後の蜜豆 火星
髪におくニッポンの夏の灰 喇賦
シャワーの音が変に強くて 涼二
青葉にたとえし人と見る海 睦
即かず離れず送り火の前 紅玉
背中あわせに雷鳴を聞く 杏紗里
ところてん分けあって食べやう 媚庵
満身創痍仙人掌の花 酒黄
ふたり並んで涼む縁側 友眠
捕よとすれば青蔦の中 翻車魚
あの人とすぐ分かる白シャツ 桐子
あせもができるほどぎゅっとして 鈴
抱き合あえばふたりそよぐ夏草 清明
蚊帳の中から細いため息 和夏子
ハンドル切って夏野を越える 詠人
8句 抱き合へばふたりそよぐ夏草 清明
9句 柏駅前の広場でジャグラーが 喇賦
投句3/14 堤防をこえてどこまで野球帽 大鳩
つつぬけの内緒話が風に乗り うさぎ
箱庭に黒い電話がありました 李桃
消しゴムで消してしまった世界地図 みのり
見え隠れする耳は何カンガルー 九尾
地下室の柱時計がぼんと鳴る 火星
鍵あまたじゃらじゃらと持ち歩きつつ 瓦斯
ミュージックサイレン暮れてゆく空に 迷鳥子
空き地には不法投棄のごみばかり 酒黄
兵隊がふわりふわりと降って来て 緑峰
おつtoto丁半ゾロに運のなく 黒旋風
浴槽の碧(あお)き湖面にさざ波は 清明
窓からはアドバルーンがぬうと見え 涼二
銀色のプラネタリウムの心臓の 翻車魚
クーピーは机の端へよせておく 睦
ピーナッツバターがいいとだだをこね 詠人
そこここにUSJの広告が 杏紗里
秒針がまた「13」を指している Sin
赤口の下りホームはすいていて 鈴
9句 消しゴムで消してしまった世界地図 みのり
10句 東西の家星祭りする 迷鳥子
投句3/15 剥きゆく梨の実の白きこと 瓦斯
花野に降りてなぞる夕暮れ 衣月子
大文字燃ゆ遠き山見ゆ 火星
原爆の日に齧るドーナツ 大鳩
送り火焚いてああなにもかも うさぎ
心臓に鳴くつくつく法師 李桃
MIRとふ流れ星もあらむ 喇賦
甲子園には魔物棲むとか 紅玉
亡くなつた人も来よ星祭り 清明
鰯雲から嘘の零るる みのり
−−もう何もかも鰯雲だよ 翻車魚
ナップザックに鈴虫入れて 杏紗里
鰯雲まで届く号令 睦
標本箱に銀河をしまふ 鈴
檸檬のにほひ指に残りて 黄亭
前向いたまま腕の蚊をうつ 九尾
10句 標本箱に銀河をしまふ 鈴
11句 背をむいた月を裸にするために 竹緒
投句3/16 じいさまの十三回忌月を呑む 大鳩
月満ちて生れし我が子のやはらかさ みのり
満月に向かって放つホームラン 友眠
浮世絵の月が亡者を照らすなり 九尾
流れ易きわれの指紋も月の下 瓦斯
まなうらに映った月を剥がせない 詠人
いつかまた月に帰るといふ嘘を 桐子
満月のまんまんなかにダイビング 亮
軽々と猫を抛らばけふの月 火星
こんぺいとう集めても月にかなわない 緑峰
月色の大風呂敷があつたはず 迷鳥子
だんだんに月が離れて舟の跡 鴨汁
月の宿に宅配ピザを急がせて うさぎ
ひとやすみ月餅を半分コして 喇賦
新月の空に大きな穴があき 杏紗里
さてマギー司郎は月を指さして 翻車魚
赤い目をして聚めたり月の光(かげ) 舞蹴
CGの月が2ドットずれている 鈴
酔いどれの月うさぎから来る手紙 清明
真裸の月がずんずん迫りくる 酒黄
月さやかなれば小庭は白く浮き 睦
新宿のビルの上なる残月に 涼二
ミシン目をたどつてゐるの月あかり 李桃
三日月は天下御免の向う傷 白雨
11句 月 月色の大風呂敷があつたはず 迷鳥子
12句 こおろぎ気ままそこもかしこも 友眠
投句3/17 芸術祭に搬入了へて うさぎ
新酒を提げて寄り合いに来る 火星
ほかほかの藷紙に包んで 瓦斯
今年はあまり柿が落ちない 大鳩
若き祖父母が盆礼に行く 迷鳥子
茸狩に行き毒茸も狩る 緑峰
だあれかさんが見ィつけたとさ 鴨汁
秋刀魚の孤独理解できずに みのり
角力は永遠(とは)のまなざしを継ぐ 李桃
とのさまおくにいりゐのこづち 喇賦
迷子の鰯雲を探さん 翻車魚
虫籠に胡瓜とり残されて 清明
猪の牙鈍く光れり 杏紗里
秋刀魚の骨をきれいにはづす 詠人
みかんの渋が歯にひつかかる 鈴
祖母の軒先干し柿のゆれ 睦
12句 今年はあまり柿が落ちない 大鳩
13句 シネコンができて車の数ふえる 媚庵
投句3/18 台所斜めによぎるハムスター みのり
やはらかい踵で踏まれ黄昏る 迷鳥子
石蹴りにとんがり石の暮れ残る 火星
少しづつ砂に埋もれてゆくやうな 瓦斯
コンビニのレジの下から見てる人 大鳩
恐竜の寝巻きを捨ててどこ行くの 鴨汁
麺棒に生地がやたらとくっつくの 緑峰
ゆふぐれに睫毛の長き少年が 涼二
北国ですでにぐっちょり濡れている 舞蹴
男難も女難もありて凶の籤 酒黄
爪を切る人とつめ塗るひとのいる 清明
家計簿にけふは黒字と付けておく うさぎ
図書館が休みの日に行く赤い家 翻車魚
留守電のボタンやさしく明滅し 桐子
皮肉屋の襟の片方折れていて 睦
遺伝子の特許米社に先越され 黒旋風
あばら骨かきならしかきならしして 竹緒
通販のカタログばかり増えてゆく 杏紗里
晴れの日はこわい映画を観たくなる 鈴
13句 ゆふぐれに睫毛の長き少年が 涼二
14句 吸入器買ふマツモトキヨシ 媚庵
投句3/19 漉餡饅に顔をうずめる 竹緒
先をきそつて冬銀河みに 衣月子
緋縅着けて冬の海底(うなぞこ) 迷鳥子
ダイヤモンドダストの笑顔 喇賦
おでんの中に肩まで浸かる 鴨汁
千歳飴なら好きだったけど 杏紗里
ういろう食べて七五三の子 瓦斯
外套のまま飲むエスプレッソ 火星
新海苔は高くて買えません 緑峰
いつまで続く縄跳びの唄 大鳩
マスクのなかでおお欠伸する うさぎ
除夜の鐘まで起きてゐたくて 酒黄
雪虫三つこそばしている 舞蹴
鎌鼬などばらまきながら 翻車魚
冬牡丹挿す耳を冷やして 清明
雪見障子に影を映せり 桐子
雪を積みたる汽車を見送る 涼二
丹頂追いし釧路湿原 鈴
文字にできずに吹雪くこの胸 みのり
小刻みに霜柱を踏んで 九尾
14句 吸入器買ふマツモトキヨシ 媚庵
15句 花のごと雪が降りますお台場に 大鳩
投句3/20 テールランプ川と流れて風花す 火星
餅花と女体(にょたい)を映す大鏡 瓦斯
逃れ来て有楽椿が咲くを見る うさぎ
雪原を挿頭の花となりゆきぬ 喇賦
木花無限窓(フィネストラ)から見るばかり 迷鳥子
花の雪茶房の窓ははめごろし 紅玉
風花をガラス戸ごしに見てゐたり 媚庵
雪女郎「花」といふ名の店にゐる 酒黄
群青の折れし翼に返り花 翻車魚
新雪に埋もるる死体と花氷 清明
花柄のマグに生姜湯ふぁうふぁうと 九尾
この銀座でも釈迦の手に炭花火 黒旋風
湯豆腐にせめて花麩のひとつかみ 鈴
われを見ぬ瞳が映す雪の花 杏紗里
大根も花の形に切って煮る 緑峰
餅花の餅の色香が燕呼ぶ 舞蹴
風花がスノードームをこぼれきて 詠人
15句 花 雪女郎「花」といふ名の店にゐる 酒黄
挙句 とほき噂に冬の原行く 迷鳥子
投句3/21 白菜ざくと洗ふ春信 瓦斯
行火代はりに入れる斑猫 大鳩
開く扉に春隣る空 火星
眼を閉ぢたまま虎落笛聞く 杏紗里
氷の海をくぐつたところ 喇賦
パンドラの箱雪にうづめる うさぎ
寒卵真白き皿に割る 緑峰
誰待つとなく懐手して 媚庵
別れに奏す催馬楽の楽 舞蹴
汽車の窓からマフラー垂れて 鴨汁
静かに燃える石油ストーブ 涼二
霜柱ふみ散歩する朝 睦
ペーチカ燃えろ燃えてしまへり 酒黄
靴紐ほどけるくらい麗らか 翻車魚
湯たんぽの湯を鉢植えにやる 九尾
春の隣で傘をすぼめた 清明
片方だけの赤い手袋 李桃
三ツ星数え眠るオリオン みのり
翼のやうにコートはおりぬ 桐子
竈の猫が寝返りをうつ 鈴
挙句 眼を閉ぢたまま虎落笛聞く 杏紗里
発句 紅梅や時に想ひの猛々し 蜆汁
脇 うそ鳴く里のひくきもの腰 黒旋風
第三 ねえさまのスカーフ蝶に変わるらん 黄亭
4句 ナナバナナバと逆に読みをり 白雨
5句 引つ越しの車が止まる坂の上 睦
6句 虹の切手を貼つてださうか 火星
7句 道ならぬ恋で香水要りません 紅玉
8句 抱き合へばふたりそよぐ夏草 清明
9句 消しゴムで消してしまつた世界地図 みのり
10句 標本箱に銀河をしまふ 鈴
11句 月色の大風呂敷があつたはず 迷鳥子
12句 今年はあまり柿が落ちない 大鳩
13句 ゆふぐれに睫毛の長き少年が 涼二
14句 吸入器買ふマツモトキヨシ 媚庵
15句 雪女郎「花」といふ名の店にゐる 酒黄
挙句 眼を閉ぢたまま虎落笛聞く 杏紗里
この連句(獅子)は、故・窪田薫氏の提唱していた「一巻一字」(一巻に同じ「詞」を繰り返さない)
というルールで巻いてみました。消えていった「詞」は以下のごとし。
紅・梅・時・想ひ・猛々しい・うそ(鳥)・里・ひくい・もの
腰・ねえさま・スカーフ・蝶・変わる・バナナ・逆・読む・引
つ越し・車・坂・上・止まる・虹・切手・貼る・だす・道・な
る・恋・香水・要る・抱く・ふたり・そよぐ・夏・草・消しゴ
ム・消す・世界地図・標本箱・銀河・しまふ(入れ納めるの意)
月・色・大風呂敷・ある・はず・今年・柿・落ちる・ゆふぐれ
・睫毛・長い・少年・吸入器・買ふ・マツモトキヨシ・雪女郎
・花・名・ゐる
なお、4句目で「ナババ」=バナバの逆さ読みを無季に扱っています。
いろいろと、曲芸的な、面白い一巻になっていると思います。