「遠景に」の巻 口語しりとり「獅子」16句 2000/10/31〜11/14
於「ラエティティア」
発句 秋 遠景に永遠がある秋の暮 天王星
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脇 クレヨンで描く船に三日月 大鳩
投句 10/31 列島つつむ新月の笑み 月狼
紅の月とぼけたように 切羽
レモン一顆のように月が出てる 瓦斯
クレー射撃の弾痕の月 白雨
連絡船の屋根に弦月 世羅月
レコード針に降る月明かり 渦巻
クレーの絵本を照らす月光 彩
レインコートのままで見る月 涼二
連座制って月も同罪? 龍閑橋
レクイエム弾く霜月うさぎ みのり
クレープ色の月のぼる空 睦
くれよ いいじゃん くれよその月 Sin
クレバスに落ちて行きそうな月 緑峰
連弾の曲ながれる月夜 桐子
冷凍庫から取り出す月夜 夜羽
クレタ遺跡をめぐる半月 鈴
礼拝堂を振り向くと月 紅玉
クレイ洗顔 月にもニキビ 和夏子
クレイジーラブ月とハミング 翻車魚
レとレの♯にはさまれた月 ぴあす
連弾をしにおりてくる月 鴨汁
クレゾール沁みる沁みる名月 詠人
レモネードの泡向かう満月 邦彦
れろれろの目にも真ん丸の月 衣月子
れ・みぜらぶるってつぶやいた月 睡蓮
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脇 くれよ いいじゃん くれよその月 Sin
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三句 ツキもなし 駄洒落に笑う人もなし 白雨
投句 11/1 きんいろの靴のかかとが折れちゃった 衣月子
付きまとう妙なやつらは追っ払え 切羽
危険物取扱責任者どこ? 龍閑橋
キオスクで人魚一匹買い入れて 大鳩
キスよりもコルトレーンの方がいい 渦巻
きまぐれに手持ちぶさたに肩を抱き みのり
聞こえない もしもし 言ってもう一度 彩
つきあってあげてもいいわ吸血鬼 翻車魚
きりん座に棲むきりんなら知っている 低地国
金曜日から泊まってもいいですか 月の樹
突き当たる何もないはずだったのに 紅玉
付き添いの方は入室禁止です 緑峰
啄木鳥よ 一生分の穴を掘れ 睡蓮
キッコーマンソースじゃ空は描けなくて 世羅月
気になってしょうがないから食っちまえ 涼二
着てみたい制服ベストテンを云う 鴨汁
気詰まりに椅子をガタガタいわせてる 鈴
キキララの正体なんて知らないわ 睦
金色のままで眠って電車待つ ちえみ
きみは樵でキリストなんかじゃないけれど 豊
きっと行くよ約束の舌へろへろと 月狼
突き指は放っておけば治るわよ 和夏子
キスチョコのピンクばっかり食べないで 詠人
突き当たりの空き地にけさの夢を捨て 桐子
嫌いから好きになるまであと何秒? 夜羽
きらりきらりごろりごろりとピアス増え ぴあす
昨日まで、我慢できたと 女言い 鏃
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3句 雑 キスチョコのピンクばっかり食べないで 詠人
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4句 「でら」がだんだん口癖になる ぴあす
投句 11/ 2 「イデオロギー、ぎー」ねじまき鳥が 大鳩
でーおいででとバナナボートに 衣月子
ディズニーランドのように殺して Sin
電気屋さんのバザールみたい みのり
電話でいいわさっきの返事 うさぎ
遺伝子のせいだよなにもかも 龍閑橋
出湯にどぷり浸かってみよう 切羽
ではどうしても行くというのか 迷鳥子
でも、くちびるは奪われやすい 瓦斯
デコモ犬ちゃんちんちん見せて 白雨
ででんでんでんと消えるか 月の樹
遺伝子にまた罪を組み込み 翻車魚
出会ったころのままは無理なの 紅玉
idea!その手にゃのらないからね 低地国
デス・マッチなら見に行こうかな 彩
出る杭も出ぬ杭も打たれる 鴨汁
出刃包丁はどこにしまった 緑峰
イデオロギーの意味を教えて 鈴
田園でラジコンを飛ばして 豊
胃でとけてゆく天使が叫ぶ 信天翁
できることなら忘れたかった 涼二
デズデモーナにくちづけている 夜羽
でんぐりがえる花柄パンツ ちえみ
で、お昼ご飯はどこに行こうか 睦
遺伝子組み替えトマトはいかが 月狼
電話に涙声がきこえる 桐子
伝記を読んで泣いた後なの 和夏子
伝言板を見てくれたかな 無角
電車のなかで靴下ぬいで 世羅月
デスクの中で泣いていたんだ 睡蓮
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4句 雑 遺伝子のせいだよなにもかも 龍閑橋
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5句 冬 鴨一羽さばいて祖母の肝っ玉 低地国
投句 11/ 3 揉み手され誓文払いの帯一本 うさぎ
もういいよ もしもはなくて毛糸編む 衣月子
カモフラージュする吹雪の中の葬列者 Sin
もやい綱解いて始まる冬の旅 迷鳥子
鴨居駅中山駅へこがらしが 鴨汁
燃えちまえ!焚き火にくべる歌ひとつ 渦巻
貰い物贈り物貢ぎ物 雪 龍閑橋
カモノハシ間氷期の20世紀生きのびて 瓦斯
カモミールティーでおやすみ冬の夜 彩
かもねうっそおじゃないですかと鰒が 月狼
火・木は燃えるゴミの日雪女郎 翻車魚
モーツァルトマティーニクリスマスがくる 詠人
「かもしれない」氷柱をふたり遠巻きに みのり
モルタルの壁に冬日は差しながら 媚庵
カモメ飛ぶくしゃみ三回どうしよう 紅玉
モンダミンくちゅくちゅ赤い寒椿 世羅月
鴨川が賀茂川になる時雨です ぴあす
もう木枯らしの中にいるのか 杏紗里
ももんがを湯たんぽがわりにしのばせて 緑峰
もしかして夕べ見たのは雪女 無角
黙々と初雪がふる、ふり積むの 睦
ももひきとパッチの違い教えてよ 涼二
貨物船乗組員の夜鷹蕎麦 夜羽
妄想の中でも雪を降らせたの 和夏子
問題はむしろコタツの置き場所ね 鈴
モーグルのジャンプのかたちにリビドーは 亜細亜
「もったいない」が口癖だった 日向ぼこ 桐子
モノクロの写真燃やしている暖炉 睡蓮
カモミールティーかたわらにミカン剥く 切羽
寡黙な部屋にみかんの香り 絵衣個
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5句 冬 火・木は燃えるゴミの日雪女郎 翻車魚
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6句 冬 臘八会ニイタカヤマノボレ 媚庵
投句11/4 ういろう食べて七五三の子 瓦斯
ロウソクつけてクリスマスイブ 切羽
ウルトラセブンは冬の銀河へ 涼二
廊下を走る師走の教師 みのり
牢は底冷え笑っちゃうほど 夜羽
老婆心ながら襟巻持たす 緑峰
朗読いいねスキーしながら 鴨汁
うずくまりたくて焚き火をしたの 睡蓮
うすうす嫌う銀杏落葉 衣月子
ローカル線に牡蠣飯を買う 彩
老人たちは氷柱が大好き Sin
兎追ひしとデュエットをする 白雨
羽毛布団をたたけばくしゃみ 低地国
ローンローンで消えたボーナス 紅玉
うしろの正面だれの空咳 ぴあす
ローブ・デコルテ着て蜜柑好き 迷鳥子
海もこごえるように青色 睦
売れないままで冬眠してる 無角
浪曲師某風邪ひきながら 月狼
打ち合わせにはない霜柱 杏紗里
ローソンで買うおでんを二本 世羅月
蝋人形たち燃える聖夜に 翻車魚
ロウ・スクールは木枯らしのなか 詠人
牢名主どのの花柄蒲団 うさぎ
ロンドンみやげのセーターあげる 鈴
うしろの正面冬の影だけ 桐子
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6句 冬 牢は底冷え笑っちゃうほど 夜羽
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7句 雑 ほどけてもまだ糸の端持っている 笑茸
投句 11/5 ホドラーとだれか言ってるなんだっけ ぴあす
どんなリュックにしようか迷い 月の樹
ドドンパのリズムで踊れドドンパを 白雨
ほどほどにしろよ責任とらないくせに 龍閑橋
胴長の少年少女めずらしく 杏紗里
ドーナツのまんなか残しといたから 彩
どこからも苦情ばかりの三味を弾く 迷鳥子
ドレミファソ五本の指のかわいくて 鴨汁
ほどけてしまった糸にからまり脱出しなよ 月狼
どんぐりの涙にまかれ鬱になる みのり
「ど」の次を思いつかない どんくさい 世羅月
ほどほどにしておくことだ呑み会は 瓦斯
ドーナツの輪から夕日を見てみよう 無角
ほどかれた髪に悪魔がつまずいて 翻車魚
どうしても 老人たちが離れない Sin
ほどけたりからまったりの赤い糸 詠人
ほどいたのあんたが先よ指切りは うさぎ
どうしたの?しっかりしてよシラフでしょ 涼二
保土ヶ谷へ格子のシャツを買いに行く 緑峰
どこまでが陣地か線を引かなきゃね 鈴
どすこいと男同士の声ひびく 媚庵
どうしたんだいガソリンあるぜ 衣月子
ドイツ人フランス人と背くらべ 夜羽
どこからか細い女の声がする 睡蓮
ほどほどに無言電話をかけておく 大鳩
歩道橋神様なんて信じない 紅玉
ドビュッシーくりかえし聞く午後もある 睦
歩道橋のてっぺんで待ってるからね 桐子
どうしたら行司になれるか教えてよ 和夏子
程々に人妻フェチは止めなさい 亜細亜
補導せよセンター街は大荒れだ 切羽
ほどけてくあなたとあたし石の床には 低地国
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7句 雑 保土ヶ谷へ格子のシャツを買いに行く 緑峰
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8句 雑 育児休暇が切れて夕映え 大鳩
投句 11/6 くぐりぬけたらもう城下町 彩
イクラは子供いつまでたっても みのり
戦の果ての海のしずけさ 李桃
意気地なしって言ってやったわ 紅玉
句頭に打ったアスタリスクス(*) 瓦斯
イクシーという小型デジカメも 白雨
食わず嫌いもたいがいにしろ 涼二
幾星霜を過ごす路地裏 夜羽
暗い運河に飾り窓の灯 低地国
靴ぴかぴかのタップダンサー 衣月子
苦しくないかこのエレベーター 杏紗里
「いくつになったの?」 「蝋燭3つ」 亜細亜
クソリアリズムまだ信じてる 媚庵
いくつも音の波をくぐって 迷鳥子
クラス編成会議延長 緑峰
いくよ・くるよとくんずほぐれつ 詠人
いくつになっても歯医者は怖い 睦
育児も家事もつれあいまかせ 切羽
異句同音の線路のひびき 鴨汁
クーポン券の期限過ぎてる 鈴
首輪のこして去った白犬 桐子
鯨の肉はもうお終いだ 無角
意気地なしにはピーマンだっちゃ 翻車魚
くんずほぐれつする夜である 睡蓮
首長竜のお仕置き怖い 笑茸
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育児も家事もつれあいまかせ 切羽
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9句 春・花 せっかちね花から花へちゃりんこで 低地国
投句 11/7 せっかくの花束だけど捨てたいの 衣月子
稼いでも花を見ながら飲んじまう 切羽
火星とは赤く燃えてる花畑 みのり
枷のよう花と花との間におり 白雨
セクハラをするしないする花いちもんめ Sin
カセットテープに「花の歌」入れました 彩
貸せなくてごめんね花の化粧彫 紅玉
正座してお見合いをした花の宴 瓦斯
せちがらいことばっかりじゃ花を撒け 迷鳥子
枷のつもりの押し花ひらり逃げ出して 月狼
静寂のなかで花びら河になる 睦
脊椎のあたり押したら花模様 夜羽
化石から花が咲いたと法螺を吹く 杏紗里
化石でも花の咲く日は動くのさ 鴨汁
河川敷から対岸の花を見る 緑峰
下線部を花っぽく訳すのに夢中 笑茸
背に花も縫いとめたのでございます 龍閑橋
せっかちに花は散るって決まってる 涼二
背伸びして鼻をうめたい花の雲 桐子
石器なら桜の花の下にある 無角
化石掘りつづけたかつた花見酒 李桃
せっせっせーのよいよいよいと咲く花 鈴
火星でもフリリしている花の雨 翻車魚
仮説では花もひとつの宇宙らしい 詠人
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石器なら桜の花の下にある 無角
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10句 春 ルルドからふく風は光るよ 低地国
投句 11/8 ル・フィガロ紙のエイプリル・フール 彩
アルカリ電池で点く朧月 みのり
留守がち女の八十八夜 衣月子
主不在で蝶がぱたぱた 切羽
るる釈明に走る春泥 瓦斯
ルイジアナにも春が来ており 白雨
瑠璃色変化こわれた朝寝 龍閑橋
アルカロイドを霞に混ぜて 杏紗里
アルバイト辞めぶらんこ揺する 緑峰
留萌在住歌人春愁 媚庵
歩くともなく来れば陽炎 紅玉
アルキメデスははだか朧夜 鴨汁
ルンルンを買ってゆく春の山 涼二
アルマイト電車に陽炎が 夜羽
アルトサックス吹く春なかば 詠人
歩きはじめる昼の蛤 桐子
アルバイトなら茶摘みかな 無角
アルペジオ弾く春服のひと 睦
ルンバを踊って春を呼んだの 睡蓮
アルジャーノンとひく春の風邪 翻車魚
アル・カポネ氏の春の夢なら 李桃
あるいは蓬餅が弁当 迷鳥子
類人猿が作る草餅 和夏子
アルファベットで亀が泣いてる 鈴
アル中気味になって春茸 笑茸
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10句 春 歩きはじめる昼の蛤 桐子
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11句 雑 リムジンが欲しいとまでは望まない ぴあす
投句 11/9 グリコにも一寸似てをり走りだせ 白雨
グリムから忘れていった十二歳 迷鳥子
ぐりぐりの頭ならべてリーグ戦 瓦斯
ぐりとぐら そんな童話を読んで聞かせた 低地国
ぐりんぐりん振り回したっけ赤いバック 衣月子
グリーンのベンチに眠る夢をみた みのり
理科室に汚れた白衣吊るされて 緑峰
グリンピースごはんをなんで嫌いなの 鈴
グリニッジ天文台に近づけば 彩
グリーティングカードそろそろ着いたかな 紅玉
グリースで固めた髪のナイスガイ 夜羽
「リカルドはいずこ」「そこもっとエラソーに」 龍閑橋
グリーグの鬚にも雨は降りました 笑茸
りんりんと勇気は空を染めてゆく 杏紗里
グリフィンがくちばしつっこむ系統樹 翻車魚
リゾットを待っている間も無言にて 桐子
グリースが切れ居酒屋に顔を出す 無角
リリカルな手紙に添える※印 睦
グリックはガンバと友達だったのだ 涼二
理不尽は承知よ女なんだから 和夏子
グリニッジ天文台っていい匂い 詠人
グリースを塗ってやわらか君と僕 切羽
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11句 雑 リムジンが欲しいとまでは望まない ぴあす
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12句 雑 生きる努力を脚でしている 瓦斯
投句 11/10 ないことなんかそんなことない 白雨
泣いてばかりのカレーの辛さ 彩
内科健診明日は受けなきゃ みのり
いちもくさんに逃げてばらばら 衣月子
ナイキ被ってウッズになろう 切羽
ないないづくしの人生なのさ 涼二
内緒で土星旅行をしよう 龍閑橋
内縁の妻やさしい昼寝 低地国
ナイロン袋常備してます 緑峰
ナイロンたわしでがしゃがしゃ洗う 睦
内閣辞めてしまいたいのだ 迷鳥子
ナイフで切ったらしいほっぺた 紅玉
内角低めのドモホルンリンクル Sin
内服薬を生真面目に飲む 夜羽
インターチェンジ入り損ねて 杏紗里
ナンバープレート光るのがいい 鈴
ないまぜにして眠りましょうね 李桃
ナインテンまだリングで夢を 鴨汁
ナイーブなんて言わせないから 和夏子
内視鏡には嘘をつけない 無角
まな板のうえ歌うこぎつね 翻車魚
胃下垂だってかまわないでしょ 詠人
今か今かと決着を待つ 桐子
ナイロンストッキングぼろぼろ 睡蓮
ナイスキャッチ、おにぎりのパス 亜細亜
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12句 雑 ナイロンたわしでがしゃがしゃ洗う 睦
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13句 夏 ラウラから大切な夏こぼれだす 李桃
投句 11/11 Loveといえば何を連想する? 花火! 龍閑橋
嘘は罪 舌で氷をもてあそび 媚庵
羅臼ではちょっと短い夏休み 切羽
ラウンジを抜け出して見る遠花火 杏紗里
浦島のような日焼けの腕を出し 迷鳥子
瓜切ってあおい香りの指残り 桐子
うそじゃない蜘蛛の巣なんかこわくない 涼二
ウンデーネみたいね夕日の海にいて 睦
うざったいあの蚊どうにかならないの 鈴
らうめんは砂より熱い八月の 翻車魚
打ち水の音を前奏曲にして 和夏子
うつむいて水羊羹を切り分けた 詠人
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13句 夏 裏側にほら八月の濡れた砂 紅玉
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14句 夏 すなおな肢体夏ふかくする 低地国
投句 11/12 夏終章のオルガスムスは 瓦斯
泣いちゃいけない尺取虫だ 無角
なぜか身に付けなかった水着 龍閑橋
何は無くとも夕焼けは見る みのり
七日前なら暑中お見舞い 白雨
夏痩せなんて無関係だわ 杏紗里
泣くな泣くなと夜店が灯る 迷鳥子
仲間を呼んでいるの?蜩 紅玉
情けない顔で食う蛇苺 緑峰
泣きながら追う日焼けした腕 睦
なんまいだぶつ土用のうなぎ 夜羽
何といっても鰻にかぎる 涼二
流れ星だよすぐ消えちゃうよ 鈴
内緒で摘んで欲しいはまなす 桐子
スナメリ見下ろすイルカ座を見る 亜細亜
スナフキンとのキス遠花火 翻車魚
スナップ写真切る夏の果て 詠人
スナック菓子とメロン頬張る 切羽
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14句 夏 夏終章のオルガスムスは 瓦斯
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15句 雑 素肌からあなたのセリフ感じとる 切羽
投句 11/13 諏訪神社から暗闇がついてきて 迷鳥子
はらはらとこぼす涙がきらめいて 瓦斯
白紙です答えのでない問いばかり 彩
「儚い」と漢字表記で嘆くサイ みのり
箱に住むおとこが空を手に入れる時 低地国
はずかしくないかと問われ口ごもる 涼二
犯人と探偵のするものがたり ぴあす
素晴らしい素っ裸のまま吸う煙草 夜羽
反戦を反体制を叫んでた 媚庵
鳩時計明日になるまで止めておく 紅玉
ハーシーとバンホーテンとをまぜこぜに 睦
はしご車に君は乗らせてあげないよ 緑峰
針の目という名の男あったとさ 龍閑橋
スハルトの第二夫人はだれだっけ 無角
ハイチから戻ったひとの乾いた目 睡蓮
剥がれてく記憶のなかの雲の色 桐子
酢は匂い暗室に干す証拠たち 亜細亜
すばらしきかな世界ってぽえむって 詠人
ハワイならウクレレなのかこんなとき 鈴
「裸なの、今」と言われて正座する 和夏子
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15句 雑 「儚い」と漢字表記で嘆くサイ みのり
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挙句 雑 最後尾からぞろぞろ降りる 低地国
投句 11/14 才色兼備の時計をはずす みのり
生きるためには脚を使おう 瓦斯
いつからだったかいつまでだろう 白雨
いざって時はどうぞよろしく 緑峰
いま出てくからそこで待ってて 杏紗里
言い始めると肩に夕闇 衣月子
最高にたのしかったよサンキュ 彩
いろはにほへと消えてしまおう 世羅月
再会なんて待たないからね ぴあす
委細承知ってえことらしい 龍閑橋
歳々年々しゃべり言葉も 媚庵
サイコロころり 人間ころり Sin
一切無罪判決之朝 迷鳥子
「再見!」の声ひびきあう空 桐子
最近どうもすぱっと切れない 無角
さいならあしたはもう会えまへん 長城
一画はもう苔の公園 紅玉
意見のあるひとチョキで挙手する 睦
西郷さんを撫でるそよ風 大鳩
賽の目ゾロ目ようやく「あがり」 切羽
内閣不妊娠案ですか? 小豆子
犀の鳴き声聞いたことない 夜羽
さいころの目は一でおしまい 涼二
いうまでもなくするまでもなく 鈴
賽の河原で手を振りあって 詠人
囲炉裏の端で聞いたお話 亜細亜
いきなりそんなお別れなんて 和夏子
最南端の塔でまた会う 笑茸
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挙句 いま出てくからそこで待ってて 杏紗里
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注1 口語連句 「発句」の「切れ」に苦心。切れ字は、多く「文語」になる。
遠景に永遠がある と切り 秋の暮 の体言留め、口語発句としての工夫。
注2 13句 夏 裏側にほら八月の濡れた砂
八月は歳時記上は「秋」。映画『八月の濡れた砂』、および「口語」連句のため、
ここでは、「夏」とする。
注3 挙句は、続編を示唆する雰囲気あり。