「前句付け」の試み 1999/3 (於・掲示板)
大胆なこと 大胆なこと
最中にアイドルの名も混ぜて呼ぶ 鯰
短歌してたった三月(みつき)で出す歌集 鯰
熨斗つけて四島ロシアにくれてやれ 黒
マックシェイクの容器にビール入れて吸ふ 雨下
××の写真の上で爪を切る そら
着メロを君が代にして出勤す 雨下
娘にと買った下着をはいてゆく 雨下
★ あれをまあまさか実行するなんて 柳川
対岸の火事になげこむ粗大ごみ 柳川
蒼氷の山腹を行く山スキー 龍
白昼を乗り付けているラヴホテル 龍
★ 義兄さんに湿布を貼っていただいた そら
自分史に十三歳の彼五人 雨下
恥ずかしいこと 恥ずかしいこと
はずかしいことがだんだん減ってきた 柳川
★ あれをまあまさか言葉にするなんて そら
留守番の兄とあらゆることをする そら
またしても人に生まれてしまったわ 柳川
嫁はんに読まれてしまったloveletter 龍
思い出のなかの男のたくましさ 雨下
★ 産婦人科医と寿司屋で出くわした 雨下
おめでたいこと おめでたいこと
常務だと口説いてみても袖にされ 雨下
★ 畳の上だし九十過ぎてたし そら
花ひとひらはさんでしまうキスとなり 雨下
えいえんに愛すだなんて誓い合う そら
リストラをしてもあなたはセルシオか! ゆうべ
★ 一九九九年八月来(く) 雨下
賞欲しと砂子屋さんに乗り換えて 媚庵
帯に書く「寺山修司賞候補!」 鯰
アモーレ・カンターレ・マンジャーレ 龍
★ (邦訳版)恋をして・歌を創って・うまいもの食って 龍
桃色よ米寿の餅は自分で配る 鯰
笠付け(冠付)の試み1999/3 於・掲示板
△うつむいて
うつむいて 自分のどこを見るとなく 柳川
うつむいて 嘘のなみだを溜めておく 雨下
うつむいて 首のヘルニア痛さ増す ゆうべ
うつむいて 司会の視線やりすごす 媚庵
うつむいて いられぬように抱いてよね 雨下
うつむいて いるが反省しておらぬ 龍人
うつむいて いるのはおとこ終電車 そら
うつむいて 苺のなかに母がゐる 俄
【入試】(柳川)
次のア〜エにあてはまるものを、あとのA〜Dからそれぞれ選びなさい。
ア うつむいて うなずいて恋深くする
イ うつむいて いる間にウニが過ぎてゆく
ウ うつむいて 出はいりをするまっぴるま
エ うつむいて ないでなんとかおっしゃいよ
A お家 B 回転鮨屋 C お宿 D フルーツパーラー