回文歌仙『かなしみは』の巻  1999/5〜1999/8 掲示板


初表

発句   かなしみは死すれ馴鮓食みし仲          やや
脇     芳しき節しぶきし晩夏            若菜谷
第三   手には傘烏賊蛸高い酒場にて          黒旋風
四句    カラオケ歌う歌受け己(おら)が        瑠璃
五句   八日月波の間の皆気遣うよ            勇魚
六句    百舌の早贄絵に矢場の図も           雛子

初裏

初句   柿の実のかがやきや画家の身の起臥        勇魚
二句    算木心色色ここ銀座              白雨
三句   黒髪の女(をんな)の難を飲みかろく       勇魚
四句    華洛湯豆腐風土ゆくらか           黒旋風
五句   不意に母年越来しと姑(はは)に言ふ       勇魚
六句    山小屋暮らし刺らくや護摩や          雛子
七句   春なればドレミソミレド晴れなるは       鬼次郎
八句    桑車来つ月まるく湧く             勇魚
九句   那覇の品褻装(けよそ)ひ戦げ梨の花       麗人
10句    斎藤茂吉知己も疎いさ            鬼次郎
11句   資産家の後添(のちぞひ)ぞ千乃の簪       勇魚
12句    健闘の占(うら)廊の優曇華         黒旋風

名表

初句   大南風(おおみなみ)土佐の子の郷(さと)南おお 雛子
二句    潮鳴りとどろろ土採り直し           麗人
三句   川の魚刺身ささみしさ王の和歌         早乙女
四句    松茸狩りに二里駆けた妻            勇魚
五句   望の月仮想は嘘か吉(きつ)の地も        雛子
六句    残る蚊の飛ぶふと逃る子の           京子
七句   さざなみの心はロココ呑みなささ        鬼次郎
八句    いざ抱く口説く功徳ください         黒旋風
九句   痛き想ひ(をもひ)に新妹(にひも)を期待    龍人
10句    ラフな嘘つききつそうなブラ          勇魚
11句   大感激素敵来て好き懸崖だ            京子
12句    冬の川見か髪若の結ふ             麗人

名裏

初句   白菜の畑駆け駄馬の伊作は           鬼治郎
二句    アニマの凱歌絵画のマニア           雛子
三句   はらからは土佐の男(を)のサドはらからは    雛子
四句    年々の魚簗納屋のじとじと           雛子
五句   手には盃鬘に落花岩場にて           黒旋風
挙句    浦々のどか門(かど)の朗々(らうらう)    勇魚




歌仙の目次に戻る

西王燦のトップページへ