歌仙『分別の底』の巻 2000年12/13〜2001年7/23
於掲示板 新仮名遣い
初表
くれ
発句 分別の底たたきけり年の昏 芭蕉
脇句 練炭などの香るるどこから 美尾
3句 からからに乾いた喉がかわいそう 友眠
4句 うそもほんとも四月ついたち 夜凪
たわ
5句 月 蝶々に鯰戯けて朧なり 羊羹
うまざけ
6句 理も雪解けの美酒なれば えつこ
初裏
初句 レバノンの戦士と祝ふイースター 羊羹
2句 タータンに織る敗北のうた おるか
3句 たまゆらのパックス・ジャポニカ懐かしく えつこ
4句 クローン猿のやかましき不死 おるか
5句 白靴のアンドロイドの艶笑に えつこ
6句 にくいあいつとベランダで する 夜凪
7句 ルイ・ヴィトンぐらいじゃゆるさない浮気 美尾
8句 月 キリリとしぼれ弓張の月 羊羹
9句 啄木鳥のノックの音に夢はじけ 波留
10句 けむるゲノムの世紀の秋は えつこ
11句 花 きわれば花も紅葉もナッシング 夜凪
12句 ぐっとレベルの落ちた宰相 羊羹
名表
初句 宇宙基地頭の上を通過して 波留
2句 天より君の掌に降れ雪よ おるか
3句 夜半の冬青き桜の上絵描く 羊羹
4句 瞑きこころを君色に染め えつこ
5句 「酩酊のさなかに想いを告げないで」 亜細亜
6句 井手の下帯揺らす朝東風 波留
7句 ちゃんちゃんこ忘れず春の野へ急ぐ 知昭
8句 愚者ともなりてたんぽぽ探す えつこ
9句 巣にもどるティラノザウルス地雷踏み 亜細亜
10句 月 水漬く屍を抱く月影 波留
11句 影踏みのおにはいつでもおんなのこ 知昭
12句 残してはだめパンの耳とか 美尾
名裏
初句 戸から出て窓より入る会話だね 亜細亜
2句 猫の背中に冬の日を嗅ぐ おるか
3句 神楽歌古き調べにとろとろり 羊羹
4句 ロリータっぽく決めてみました 亜細亜
5句 花 枝垂れ花京都円山かがり火に 波留
挙句 にたり貝なら吸物もよし 燦
|